でも、制作者や出演者の中にたった一人でも、「これって本当はどうやるんだろう」と少しでも興味を持った人がいれば、こういう問題は必ず発見できたはずです。実際にどうやるんだろうと触ってみたり、詳しい知人に尋ねてみたり、ちょっとネットで確かめてみたりすると、その違和感に行き着くはずなのです。
さすがに細かい道具まで「監修」担当はつきませんが、監修がつかない部分だからこそ、それを扱う人は「これでいいのかな」という興味を常に向けておかなければならないのです。ましてやそれを撮影させてもらって仕事にして自分たちがお金をもらおうとしているのですから、その対象物に対して、少しでも愛と理解を向けてあげるのが道理というものです。
「神は細部に宿る」と言いますが、見る人は細部にクレームをつけたいわけではないのです。細部を見て「よくわかってるな」と褒めたいのです。そして、そういう細部が褒められる作品ほど、その方面のプロたちからも拡散してもらったり、DVDなどが売れるようになったりします。制作者たちのその細部へのこだわりの話自体がインタビューやニュースのネタになったりして、さらに作品を拡散してもらえます。
別にそれを狙ってこだわる必要はないのですが、「これってどうなんだろうね」と、その細部に興味を持とう、という話です。それは創作の話だけではなくて、あらゆることについて言えることです。
例えばある本を読んだら、それで終わりにせず、その著者の他の本を読んでみたり、その著者のウェブサイトも確認してみたり、その本に出てきた関連書籍も見てみたり、その本に出てきた場所に実際に行ってみたりもする。
ある分野に関する記事を読んだら、その分野の人はその話をどう思うかを聞いてみたり、その分野に関連する商品を探してみたり、その用語についてネット検索をしてみたりする。
細部のことに興味を持ってみることで、さらにまた多面的に情報のインプットが広がるのです。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
- 自社の商品やサービスで「細部にまでこだわった」という話を5つ挙げるとすれば、どのようなエピソードを話せるか。ノートに列挙する。