日本企業の世界進出は、素晴らしき日本文化を拡散するための先兵だ

 

日本企業の進出

日本企業は宗教団体のようであると、過去記事「日本企業は日本教の宗派だ」で述べたが、仕事は無想の境地への手段であることを世界に伝達し、仕事のルールが規範であり、他者への思いやりが仕事の効率化につながることを、QC活動で自分が発見するということで、実現している。また「日本の時代が来る」で、ハーバードで教える日本の価値で述べたように、相互信頼や中庸の価値を見出すことである。

というように、日本企業は日本の精神文明を背負っているので、その企業が進出すると、その日本文明の価値も持っていくことになる。

しかし、日本企業は、海外進出で多くの失敗をしている。東芝もウェスチング・ハウスを買収したが、そこの失敗で倒産の憂き目にあっているし、キリンのブラジル企業でも失敗したように、多くの企業がアジア以外での海外進出で失敗している。

しかし、日本企業が日本文明を世界に拡散する先兵である。個人では小さな事しかできないので、影響も弱い。日本企業はアジアでは成功したが、それをアジア以外に広げることで日本文明をさらに広げる必要になっている。

東南アジアは、仏教国が多く、上座仏教も無想で自分を高めることが宗教として行渡っている。このため、日本文明の三教の内、仏教がすでに入っていることで、調和と規範を教えることでよかったために、成功例が多いのである。

しかし、中東や欧米、アフリカなどは、そのような自己を無想にするという概念すらないこの地域で日本企業が成功するには、大きな教育が必要になる。

このため、アジアでは成功した日本企業もアジア以外では成功できなかった。成功するためには、精神文明を捨てて、欧米文明に準拠することが今までは行ってきたが、それでは大きな成功ができない。

東南アジアでも時間を守るという基本的な規範を教育機関に取り入れてもらうのに、20年以上かかったと海外に進出した当初のある大手企業の社長が言っていた。アジアは規範ルールが重要であったが、欧米やアフリカでは、仕事で無想の境地を味わうことをどう教えるかが重要なことになっている。

欧米社会でも、マインドフルネスという無想の境地への初歩段階を心理学的な療法として推奨しているし、これが精神的に有効としているが、無想の境地をどう取り入れるかが、今問われていることである。

そして、全人類が無想の境地を手に入れて、各地の紛争の解決を自己の利益だけではなく、他者の利益も考え調和することが重要と思ってほしい。

しかし、間に合わないかもしれない。中東大戦争が起こりかけないと見ている。自己のことしか考えない偏狭な人類が多すぎることによる。

また、アジアでも中国の国内紛争で、外敵を作ることが必要になり、戦争が起きる可能性がある。中国国内で自己の利益だけではなく、他者の利益も考えてほしいものである。それがアジアから戦争をなくす方法である。

さあ、どうなりますか?

image by: Shutterstock

 

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