もちろん意識的に頑張れば、本当はそのままでなくても新しい概念を取り入れることはできるはずです。明治時代に、教育、哲学、科学、政治、経済そういったところで、たくさんの新しい概念を漢語に置き換えて取り込んだのは日本の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。この時代に作られた和製漢語はその後、日本に来た留学生たちの手で、中国、朝鮮半島に伝わります。
漢語が多いことで、耳から聞いたときに同音異義語に悩まされるのはありますが、それは日本語がうまく新しい概念を漢字を使って取り込む性質を持つ、懐の広い言葉だからこそとも言えます。
懐が深い、広いというのは特徴であって、それが良いか悪いかは別の話です。
柔軟性に富んでいるから良いとも限りません。何でもかんでも片仮名表記で済ましていると、初めて見た人がその言葉の意味がわからず、通じないということも起こりえます。
言葉は意思の疎通に使われる道具です。うまく使いこなすために、その特徴をよくよく知っておきたいところです。
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