徘徊し他人のピンポンを押す…薬の副作用で認知症になった義父

 

なんでこの話を書いたかというと、数年前の困った事例や地域の支援体制の話で認知症を語られるのを聞くと、ちょっと古いな~、それを元に今や未来を語るのは、ちょっとずれているんじゃないかな…、と思うことがあるからです。

長寿社会は認知症と共存する社会です。もちろん、始まったばかりの地域での包括支援体制で課題はたくさんありますが、確実に変わってきていますし、今後もかなりのスピードで変わっていくはずです。

多くの人が少しずつでも参加することで、問題点を解決し、どんどん今後も進化させていくことができると私は実感しています。そして、認知症に対する介護方法も格段に進歩しています。日本は認知症介護の先進国だといいます。

で、認知症予防や認知症の症状を進めない方法についても、いろいろ研究が進んでいます。先日のサロンに来ていた40歳代の方が、数年前に薬の副作用で認知症になった義父の介護に苦労した話をされました。徘徊や間違って近所の家のインターホンを押す、大声を出す等でご近所に迷惑を掛けることが何よりつらかった。菓子折りを持って、何度お詫びにいったことか…。もし、地域で、こうやって話を聞いてもらえる機会があって、認知症ゆえの行動を当たり前に受け止めてくれる風土があったら、どんなに介護の精神的負担が軽くなったか…と。

私たちにできることは、まず、少しおかしいと思う状況を見かけたら、それを放置しないで地域包括支援センターに連絡をすることです。それは、その方の人権を守るためのことでもあります。情報を元に、地域包括支援センターの方で状況をさりげなく確認してくれます。

そして、認知症を知り認知症の方がいることを自然に受け止められる風土を作って行くこと。これって、自分自身のためでもあります。

地域包括支援センターの方をお呼びしての勉強会、とてもよかったですよ。病院や介護サービス等、地域の情報をいろいろ聞けますし、誰もが無関心でいられない話題で、参加者同士のコミュニケーションも進みます。

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