なぜAppleにできないことが、Amazonにできたのか?

 

Why Amazon is eating the world

Amazonの強さについて書かれた文章は、これまでたくさん読みましたが、この文章は、私がこれまで漠然と感じならが上手に説明できなかったことを、非常に端的に説明してくれています

Amazonは、書籍のオンライン販売からスタートした会社ですが、今は化粧品から家電まであらゆるものを売るようになっています。それに加え、流通ネットワークを全世界に張りめぐらせることにより、世界のどこにでも1~2日で商品を届けられるようになっています。

つまり、Amazonは「商品のラインナップを増やす」という横方向の成長だけでなく、流通・在庫・宅配という縦方向へも成長しているのです。

この手の垂直統合型のビジネスは、他の業界でも見られますが、Amazonが特徴的なのは、それぞれのレイヤーのサービスをことごとく外販している点です。AWS(Amazon Web Service)が典型的な例ですが、流通・在庫管理・小売販売などの各レイヤーもサービスとして外販し競争に晒しているのです。

筆者(Zack Kanter)は、この各レイヤーをサービスとして外販して競争に晒していることこそ、Amazonの強さだと指摘してます。垂直統合型のビジネスは、「内部調達」の甘えによる非効率化(=コスト増)がしばしば起こりますが(日本の大手家電メーカーでは、頻繁に起こっています)、Amazonは各レイヤーを競争に晒すことにより無駄を省き、結果として、「誰よりも早く安く商品を届ける力を身につけたのです。

筆者は、Amazonはもはやuncatchable(誰にも捕まえることができない)だと指摘しますが、私も強くそう思います。これまで私が見てきた企業は、どこでも、大きくなればなるほど、無駄は増えるし、働く人たちも保守的になって行きます。Amazonは、各部門を常に競争に晒すことにより、そんな大企業病に陥ることを上手に避けているのです。

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