読売は記事を読ませたくないのかも…新聞各紙の安保特別委員会の伝え方

 

今頃ホルムズ海峡の話ですか…

【朝日】は1面トップでこの問題を正面から扱っている。そのうえで、3面と4面、38面に関連記事を置く。

3面記事は、「ホルムズ封鎖にも疑問」として、原油の輸送にはパイプラインが代替手段になり、しかも穏健派の現ロハニ政権は対話路線で、機雷封鎖の危険は非常に低いとする。さらに、テヘランでイランの軍事・安全保障政策の責任者にインタビューし、封鎖を否定する発言を引き出している。

uttiiの眼

安保法案の採決を巡る攻防が激しくなるこの時期に、1面トップに集団的自衛権を巡る安保法制の滅茶苦茶ぶりを指摘する記事を載せていることには敬意を表する。何時間議論しようが、こんな不体裁でいい加減な法律案は、サッサと廃案にすべきだし、そのような世論が非常な勢いで強まっていると思う。しかし、《朝日》の記事はもうちょっとなんとかならないものか。

3面のホルムズ海峡に絡む話は全くその通りなのだろうが、完全にタイミングを逸している。既に国会の中では安倍氏自身、ホルムズ海峡のことについてはもう言わなくなっている。代わりに出てきたのが南シナ海についての中国による機雷封鎖とそれに対する機雷掃海云々だ。南シナ海の機雷封鎖も不可能だと言われており、空疎な話なのだが、いくらなんでもホルムズ海峡の話は古すぎる。

だんまりではないが…

【読売】の安保法案関係の記事は2面に3件。1つは、新たに可能になる後方支援として米軍等に弾薬などを提供する具体例について、中谷氏が「拳銃や小銃、機関銃などの弾薬」を上げたという。「核兵器などの大量破壊兵器やクラスター弾、劣化ウラン弾を提供することはあり得ないし、我が国は保有していない」と強調したとする。その後に、《朝日》が1面トップとした「米艦防護の判断に邦人乗船の有無は判断要素の1つだが絶対的なものではない」と述べたことも伝えている。

あとはBS日テレに公明党の山口代表が出演して安保法案を成立させる決意を述べ、大半の創価学会員から法案への賛同を得ていると話したこと。もう1つは「安保 ポイント解説」で、「戦闘現場以外なら一体化の恐れなし」という、安倍政権の説明を載せている。

uttiiの眼

《読売》はこの「米艦防護」に関して国会が紛糾したにもかかわらず、通り一遍の情報しか掲載していない。僅か400字ほどの短い記事に、他の論点との合わせ技になっていて、全く重要視していない、いや、この部分を読者に読ませる気がないかのように感じる。

print
いま読まれてます

  • 読売は記事を読ませたくないのかも…新聞各紙の安保特別委員会の伝え方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け