次は「軍事政権」です。
「軍事政権」とは、軍が政治を行っているということになります。
ちなみに、軍に所属していても、軍の中における行政官など、行政の専門家がいればよいのですが、必ずしもそうではありません。
もちろん、大東亜戦争のころの今村均中将や、政治はしていませんがのちのインドやミャンマーの政治の基礎を作った藤原岩市大佐のように、軍に所属しても政治のセンスがあったり国民に愛される人も少なくありません。
一概に、軍人であるからといって、戦争が好きとか、政治ができないというような、いわゆる「レッテル貼り」は良くないのですが、そのような例外を言っていると、話が一向に進まなくなってしまうので、例外があるということを認識してもらうにとどめます。
例外があるとしたうえで、軍といえば、基本的には政治は苦手というイメージがあります。
単純に言えば、普段の政治の決断などに関しては、基本的に一般人も軍人も社会で生活しているのですから、変わらないのではないかと思います。
しかし、非常事態や究極の選択の時に、軍人は、基本的に「軍人としての選択」つまり、軍を使った解決手段を選ぶという傾向があるのです。
これは、優秀な軍人であればあるほど、そのような傾向が強く、その傾向をいかに考えるかということが最も重要になります。
日常は問題はないのですが、特に外交において、最終的に「平和的な解決」ということもなければ、「軍事力を背景にした交渉」ということに傾いてしまうことが少なくないのです。
もちろん個人差があります。
能力のある人は、その「究極の選択」にも幅があるでしょうし、戦わない選択をする可能性もあります。
しかし、そもそも軍人は軍人としての教育を受けており、優秀な軍人であればあるほど、軍人としての考え方に基づいて話をすることになります。
その中において、結局は戦争という結論つまり、武力行使ということにつながる場合が出てきてしまうということになります。
一方で、その交渉の相手方も、「人間関係は鏡」といわれるように、こちらがけんか腰で言えば、相手も自然とけんか腰になります。
外交の場であっても「売り言葉に買い言葉」のような話は少なくありません。
そのように考えた場合には、当然に戦争になる可能性が高くなるということにつながるのです。