死の原因はいじめ。良い方向に転換し始めた「第三者委員会」の変化

 

23日、一昨年9月に兵庫県加古川市で、市立中学2年の女子生徒が自殺した事件では、第三者委員会が、いじめが自殺の原因だったと認定する調査結果を発表しました。市教委が設置した第三者委員会ではありますが、「女子生徒がいじめを訴え、学校が把握する機会が何度もあったのに、学校側が何も対応しなかったことが自殺につながった」と結論づけたのです。

続けて、25日には、福島県須賀川市の市立中1年の男子生徒が今年1月に自殺した問題でも、市教委が設置した第三者委員会が、「(自殺は)いじめが大きな一因となった」と結論付ける調査結果を公表しました。「教職員が事態を軽視し、情報が教職員間で十分に共有されず、適切な指導や助言がされなかったことが問題を深刻化させた」と指摘しています。

子供が亡くなってからのことですので、遅いと言えば遅いのですが、それでも、第三者委員会が、子供の自死の原因はいじめであったこと、学校側のいじめの軽視や、いじめを把握しても何も対応しないことが重大な結果をもたらしたこと等を、明確に認定し発表することは大きな前進です。学校や教師への警鐘となり、次のいじめ自殺を防ぐことになるものと思います。自死事件だけでなく、不登校になったり、傷害事件になったりしたことで、第三者委員会が設置されることがあります。私たちのところにも、第三者委員会が設置された保護者から相談が寄せられています。その中には、「いじめではなかった」と結論付けられる事案も少なくありません。今回の報道にあるような公正な判断ができる第三者委員会が今後も増え続けること期待したいと思います。

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け