中国対抗を考えると、日露首脳会談での安倍外交が大正解なワケ

 

日ロ首脳会談の結果は?

では、日ロ首脳会談の結果はどうだったのでしょうか? まず、北朝鮮問題から。

日露首脳、北の非核化へ「緊密に連携」で一致

読売新聞 5/27(日)3:04配信

 

【モスクワ=池田慶太】安倍首相は26日夜(日本時間26日夜から27日未明)、モスクワのクレムリン(大統領宮殿)でプーチン露大統領と会談し、北朝鮮の非核化に向けて緊密に連携することで一致した。

日本とロシア、北の非核化で「緊密に連携」だそうです。「非核化」という「最終目標」は同じ。しかし、アプローチは違います。プーチンは、中国と共に、一貫して「対話派」。彼は、ロシアにとっての「緩衝国家」北朝鮮が、戦争で消滅することを望んでいない。プーチンが、この立場を変えることはないでしょう。

次、経済関係。皆さんご存知のように、アメリカは、ロシアへの制裁をますます強めています。それで、日本企業がロシアに投資したり、ロシア企業と関係を深めるのは、とても難しい。というのも、アメリカ政府、アメリカの金融機関、アメリカでのビジネスに問題が生じる可能性がある。

それでも、驚くべきことに、今回さまざま具体的な合意がなされました。署名された文書の一部を見てみましょう。

  • 8項目の協力プランの具体化に関する作業計画の改定に関する共同声明
  • デジタル経済に関する協力にかかわる共同行動計画
  • 労働生産性向上の分野における協力に関する共同行動計画
  • スマートシティー形成のための建設、住宅公営事業、および都市環境分野における協力の発展に関する覚書
  • いすず自動車とウリヤノフスク州の特別投資契約
  • SBI銀行とロシア直接投資基金による投資協力の覚書
  • ボルゴグラード州におけるメタノール・プラント建設にかかわる協定書(丸紅)
  • 郵便事業における協力にかかわる包括覚書(日本から欧州への郵便で、シベリア鉄道を利用するようになるそうです。期間が大幅に短縮されます)
  • 日ロ中小企業の交流と協力の抜本的拡大にむけた協力覚書(JETRO)
  • 医療機器、サプリメントに関するロシア国内での販売代理店契約(富士フィルム、アールファルム(ロシア))
  • ジョイントベンチャーによる鉄道車両用電気製品製造会社の設立契約(日立、トランスマシ(ロシア))

具体的な経済協力が進み、ロシア側も喜んでいることでしょう。

最後に北方領土問題。北方4島における経済協力に進展がありました。

  • 日ロ共同での海産物の養殖
  • 温室による野菜栽培
  • 北方4島へのツアーの開発
  • 風力電力の導入
  • ゴミの減量対策

これらについて具体化にむけた作業を加速することで合意しました。

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