本当に必要?お客様を「お見送り」する行為は誰のためにするのか

 

ビジネスマナーでも疑問に思うことがあります。会社に打ち合わせ等で伺うと、相手の方は、わざわざエレベーターホールまでいっしょに出て、ボタンを押して、エレベーターを呼び、私がエレベーターに乗っても、ドアが閉まるまで丁寧にお辞儀されます。どうも、これは当たり前のビジネスマナーのようです。

私は、これも、いいのにな~と思ってしまいます。もう話は終わってあいさつをすませているのに、エレベーターの階数ボタンをにらみながら、無理に雑談してエレベーターを待つものなんか中途半端で、相手にむだな時間を使わせて悪いという思いと、自分自身も、早く一人にしてもらった方が、次のことに頭を切り替えられるのに…と思ってしまいます。

相手に対する思いやりがマナーだとしたら、この「見送りの常識って、マナーなのかな…という気がしてしまいます。この私の感覚が特殊なのでしょうか。これについてはまったく自信ありません。

成功者の営業の極意みたいな本で、社長になっても、相手をどんなときでもエレベーターが閉まるまで見送った、1階まで降りて、姿が見えなくなるまで見送った、みたいなエピソードを目にするので、やはり、丁寧な見送りは、気配りが行き届いているとか謙虚だとか評価されるものなんでしょうね。

でも、まだ疑っています。相手に対する敬意や強い思いの現れということではなく、マナーだから…とどんな時でも必要かな~と。

私は、自分がそうなので、自分の事務所への来客は、あいさつを済ませて玄関まで見送ったら、そこでお別れします。早く解放してあげた方が相手のためと思って、エレベーターまでは見送りません。エレベーターを待ちながらスマホの確認したいでしょうし、次の段取りを考えたいでしょうし…と。

そうそう、買い物をしたときもそうです。洋服などを買うと、紙袋を会計のカウンターで渡さず、「入口までお持ちします」とカウンターを出て、店の入口で紙袋を手渡されます。私としては、早く荷物を受けとって、あとは自分のペースで動きたいのに、店員さんに出口まで急がれると、それについていかなくはならなくて、あまりありがたくありません。カウンターを回って出て来るのを待っていなくちゃいけないし、

この前など、後ろのお客への対応を別の人に指示しているので、よけいに時間がかかっていて、早くここで渡してくれていいんだけどな~と内心思いながら、これが接客マニュアルなんだろから、付き合ってあげなくちゃと思う訳です。

そんな私も、遠方から来てくれた方、久しぶりにお会いした方など、話が尽きず名残りおしいような関係の人と別れるときは、やはり、自然に「見送り」に時間をかけています。

あまりあっさりでは寂しいかもしれないけど、これからの時代お客さんとの関係は、もう少し合理的でもいいんじゃないかなと思うのです。

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