日経ブランド調査で躍進するコクヨ、凋落したMicrosoftの分かれ目

 

消費者評価のトップはキューピー

一方で、同日の日経MJの記事に掲載されている、2018年度企業ブランド調査の消費者評価ランキングは、以下のようになっている。

順位 ブランド名

 

1(1)キユーピー
2(3)味の素
3(4)ヤマト運輸
4(5)ソニー
5(20)カルビー
6(3)アップル ジャパン
7(6)グーグル
7(11)パナソニック
9(2)TOTO
9(27)森永製菓

 

(カッコ内は昨年順位)

消費者評価ランキングは、もちろん一般消費財、日用消費財の方が、消費者の目に触れる頻度も多いため、高評価につながることが多いのもわかるが、ここで目立つのが、1位のキューピーだ。昨年も1位だったとのこと、その評価理由としては、愛着があり、プレミアム感もある、ということらしい。

記事によれば、この理由を掘り下げていくと、食卓に馴染みが深く、幅広い料理に使えること、手軽に使えて、価格の変動も少ない、いわば必需品としての評価が高いことが、ランキングに反映されているのであろう。

ブランドをマネジメントしていく上で重要な点は、消費者のブランドへの忠誠心ロイヤルティLoyaltyの向上を目標にするということ。かっこいいロゴを作ることや、イメージを好転させていくことは、手段であって、目的ではないのだ。

忠誠心とは、数と質、すなわち、頻度多く買ってもらえるリピーターを増やすことと、心理的、感情的にもブランドに高い好感度を持ってもらうことの2側面が必要だ。キューピーは、この2つの側面を兼ね備えているための高評価だ。キューピーが総合評価でも、10位に入っているのは、この消費者評価が高いからだと言える。

また、消費者のランキングで3位の味の素に関しては、総合評価のランキングでも12位に入っている。同じように、日常に入り込んでいるブランドであること、使用頻度が高いことがあるが、キューピーは味の素を上回るブランド評価を得ている点が特筆すべきことだ。

他にも、グーグルは消費者評価5位、総合1位、ソニーは、同5位と3位、ヤマト運輸3位と2位、パナソニックが7位と5位と、消費者評価も総合ランクも高い、すなわち、消費者にもイメージを高評価され、ビジネスパーソンにも新規性などの点で評価されているブランドが、いくつかある点に学べることは多いだろう。

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