日経ブランド調査で躍進するコクヨ、凋落したMicrosoftの分かれ目

 

順位を上げたコクヨを解剖してみる

コクヨは、総合評価において、昨年の17位から8位へと大きくジャンプした。その内訳は、消費者からは55位ではあるものの、ビジネスパーソンからの評価のランクは3位と、高く評価されている。その理由として、「独自性」と他人に勧めたいという「推奨意向」が高かったとのことだ。

コクヨは現在文具事業で苦戦はしているものの、キャンパスノートを進化させたりするステーショナリーのみでなく、傘下のカウネットの利便性と独自性の高さなどが、実際に製品を仕事をする場で使うビジネス・パーソンに評価されたと言える。

その意味では、キューピーもコクヨも、ターゲット層は異なるとはいえ、ブランドが持つべき4つの資産である

  • 歴史による認知度と想起率の高さ
  • 知覚(見た目の)価値
  • ブランド関連性(アソシエーション、ユーザーとブランドの距離感)
  • ロイヤルティ(忠誠心)

を、頻度高く、また独自化をしながら構築している成果だといえそうだ。

独自性、という意味においても、グーグルの高評価は、消費者からもビジネスパーソンからも高いのが特筆すべき点だ。グーグルの事業領域の中心は「検索」だ。この強大な強みを生かしつつ、消費者向けのサービスは作られている。

さらに、その真価は独自の技術開発と先見性にある。アマゾンに遅れをとったとはいえ、わたしの私見だが、グーグルホームはかなり使いやすく、将来のAIの主導権を握る企業に、一番近いところにいるのはグーグルだと言っても過言ではない。さらに、自動運転の仕組み化や特許の取得内容を含めて、一歩先を行っているという印象が強い。

ブランド、というものは、数値で表されるものでもなく、目に見えるものだけでもない。消費者の心の中で構築されていくものだ。その意味において、確実な実績も重要だが、将来性なども大きく加味される、ということが、このグーグルの順位から言えることだ。

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