【書評】大富豪バフェットの生活と教えから学ぶ、シニアの生き方

 

バフェット家の教え

バフェットさんを好きな理由は、他にもあります。世界中の誰もが、「バフェットは正直者だ」と認めている。バフェットさんはいいます。

すべての莫大な富の背後には犯罪がある、とバルザックはいった。それはバークシャー・ハザウェイにはあてはまらない。

つまり「正直にやっても兆長者になれるよ」といっている。これは、「正直者」の日本人にとって「福音」ですね。近年、日本を代表する大企業の「不正」が目立っています。それらの会社は、致命的打撃を受けている。当たり前のことえですが、「正直」に進んでいった方がいいに決まっています。

ところでバフェット家には「教え」があるのですね。バフェット家の先祖ジョン・バフェットは、17世紀にフランスからやってきた。その子孫シドニー・バフェットは1867年、ネブラスカ州オマハに引っ越します(ウォーレン・バフェットさんは、ここに住んでいます)。明治維新の前年ですね。シドニーさんは、オマハで食料品店を開きました。シドニーさんのおじいさん、ゼブロンさんは、さまざまな教訓を書いた手紙を送ってきました。

取引は几帳面にやること。反りが合わない相手もいるだろうが、そういう相手とはできるだけ取引しないようにする。信用を大事にすること。それがお金よりも大切だ。商売をやるときには、ほどほどの儲けで満足するように。早く金持ちになろうとしてはいけない。死ぬまで健康第一で暮らしてほしい。
(『スノーボール』)

なんとなく「月並み」なアドバイスに思えますか?それでも、シドニーさんは、この教えを忠実に守った結果大いに繁栄していきます。シドニーさんの息子アーネストさんは、ウォーレン・バフェットのおじいさん。彼は、シドニーさんから独立して、自分で食料品店を経営するようになりました。アーネストさんは、息子(ウォーレン・バフェットの父)にあてた手紙で書いています。

莫大な遺産を遺したバフェット家の人間はひとりもいないかもしれないが、なにも遺さなかったものもいなかった。稼ぎを使い果たすことはなく、つねに一部を貯めておいた。それでずっとうまくいっているのだ。
(同上)

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