元CIA工作員が分析。中国対策で「安倍プーチン」急接近の皮算用

 

「ディール」の中身

2島といえども、「戦争で奪った土地」です。プーチンが返還を決意するとすれば、どういう見返りが期待できるのでしょうか?

ロシアにとって、対日交渉には特別な意味がある。北方領土交渉がまとまれば、ほとんど無価値な島々(近海には好漁場や豊富な鉱物資源がありそうだが)と引き換えに、日本から1,000億円とも言われるロシア極東の経済開発援助と、国営エネルギー企業ガスプロムの液化天然ガス開発プロジェクトへの8億ユーロの融資を引き出せる可能性がある。
(同上)

ロシアが日本から得る(得たい)のは、

  • 極東開発支援1,000億円
  • ガスプロム液化天然ガス開発プロジェクト8億ユーロ

である。

日本はもちろん第二次大戦終結から70数年ぶりに島を取り戻せる。安倍は「金と領土の交換」の受け入れをロシアに促す追加の呼び水として、日本は取り戻した領土に米軍事基地を造らせないと約束したようだ。
(同上)

日本のメリットは、

  • 2島を取り戻すこと

そのために安倍総理は、「2島に米軍基地はつくらせない!」と約束した。

プーチンは変わったのか??

グレン・カールさんは、「プーチンは変わった」と見ています。

変わり始めたプーチン

 

島々の戦略的・地政学的役割を重視するロシアは、16年に最新鋭ミサイルシステムを北方領土に配備している。近年は10万人規模の軍事演習も行っている。プーチンとロシア政府は台頭する中国への対抗上、安倍が領土返還の見返りにちらつかせる経済的支援よりも島の軍事的価値を重視している──欧米の専門家はそう評価していた。しかしここにきて、プーチンの計算が変わり始めたようだ。

(同上)>

なぜ変わったのでしょうか???

しかしここにきて、プーチンの計算が変わり始めたようだ。もしかすると、日本側から提示される経済的メリットが大幅に積み増しされたのかもしれない。プーチンとしては、成長著しい経済と莫大な人口を擁する中国がロシア極東地域に隣接して対抗するためには、北方領土を軍事拠点として軍事力中心で中国を封じ込めるよりも、日本の莫大な投資を受け入れて極東地域の経済開発を加速させるほうが好ましいと、プーチンが考え始めた可能性がある。確かに、ロシアが東アジアでの地位を強化する上では、このアプローチのほうが有望に見える。それに、日本からの投資という目先の恩恵も得られる。北方領土の軍事拠点化にこだわれば、莫大なコストがかかる半面、経済的恩恵は得られない。期待されるメリットは、紛争が起きて初めて生じるものだ。
(同上)

プーチンは、北方領土を軍事拠点化して中国を封じ込めるより、日本から莫大な投資を入れて極東を経済発展させた方がいいと判断したと。

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