【書評】まさか『時をかける少女』? 筒井康隆が自ら選ぶ代表作

 

「もともとSFは純文学とエンターテインメント、どっちの方向もありうるので、非常にヌエ的な感じですね」と、いいとこ突っこむなー、大森。筒井は「ぼくが昔から『SFはジャンルじゃない』と言っているのは、そういうことなんです」と応じる。推理小説や時代小説とは違って、SFは文学の一ジャンルではない。SFは超虚構性を成立させるためのものの見方であると。明解である。

大森がアタック。『ダークナイト・ミッドナイト』で、「親しかった広瀬正が死に、大伴昌司が死に…」と亡くなられた親しかった作家名をずらりと並べているところがあるが、なぜ小松左京が出てこないのか、気になって」、掲載誌を見て本当に小松が入っていないことにうろたえる筒井「家族親戚は別として」と書いてありますから、そこに入っていると思ってください」ははは。

最近は『旅のラゴス』『残像に口紅を』が突如すごいベストセラーになり、リミックス短編集や新装版が出たり、『誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義』が発売たちまち重版。リビングの開かずの扉にある大量の文庫本群から、筒井康隆を発掘することにした。まず『わたしのグランパ』を最初に読みたい。痛快なジジイを。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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