いじめ自殺などの悲しい出来事があったときに、大人はなぜ気が付かなかったのだと責められることも多い。しかし遊びに偽装されたり、巧妙に陰で行われたり、ネット上で行われたりするいじめを発見することは大人にとって簡単なことではない。
知らせる責任は子供に。
解決する責任は大人に。
もしも、この考えが広がったなら、絵本「わたしのせいじゃない」の登場人物のセリフは、「わたしのせいです。大人にすぐに知らせなかったから」に変わるだろう。では、大人自身はどう変わらなければならないのだろうか。いじめが起きたときに誰かの責任を追及することは簡単なことである。しかし自分自身に何が出来るかを問い続けることは簡単なことではない。たとえ今出来ることが見つからなくても、出来ることが何かを問い続ける。
その姿こそが子供に対する教育となる。「やってくるこの毎日が人生だと知っていたら!」というスウェーデンのことわざがある。日々の暮らしの中で、大人が果たすべき責任を忘れてはいけない。
守矢光児
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