お客様を観察して
Amazonの事例は最先端技術がからむため、どうしてもイメージがわかないかもしれない。しかしAmazonが1.5兆円かけて行ったことは“顧客の観察”だ。
同じく顧客の観察で成功したお店が愛知県にある。「おとうふ工房いしかわ」という豆腐メーカーだ。あるとき社長がこの会社の豆腐を販売するスーパーで、買い物客を観察して気づいたことがあった。それは、多くの人が買い物かごの下のほうに豆腐を入れることだ。 崩れやすい豆腐が下のほうにある。つまり「豆腐は大切にされない存在なのだ」とショックを受けたそうだ。そこで一念発起して開発したのが、厳選素材の国産大豆と国産にがりを使用した「究極のきぬ」と「究極のもめん」。値段は1丁270~280円という異例の高額商品。スーパーに卸したところ、買い物客は“かごの上のほう”に置くようになり、現在では看板商品になったという。
このように、顧客の観察はビジネスを成功させるヒントを与えてくれる。マーケティングの本質“お客様を動かすこと”につながる。Amazonもこの豆腐メーカーもそれを理解し、そして成功を収めた。
本書は、お客様がより自社の商品やサービスを利用するマーケティング手法を解説する書籍だ。大手コンビニ各社、阪急百貨店、ユニリーバ、ユニクロ、スターバックスなど、誰もが知るあの企業を例に成功したテクニックを紹介するので、商売人の誰もが今すぐ実践できる内容になっている。「売上をぐいぐい伸ばしたい!」と思い至ったときはぜひ手に取ってほしい。
また、当サイトでは理央周さんのメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』も発行している。本書に負けないマーケティング手法を学べるので、売上に困ったとき、結果を出したいときは、ぜひ理央さんのメルマガを一読してはいかがだろうか。(文・いのうえゆきひろ)
『売上がぐいぐい伸びるお客様の動かし方』
(理央周/実務教育出版)
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