なぜAmazonは1.5兆円で高級スーパーマーケットを買収したのか?

 

Amazonが1.5兆円かけても欲しい顧客の購買行動

2017年、Amazonは高級スーパーチェーン「ホールフーズ・マーケット」を約1.5兆円で買収すると発表した。オーガニック食品を扱うリアル高級店舗と世界的IT企業はまるで対極な存在だ。あまりの大ニュースにちょっとした騒ぎになった。

続いて2018年、Amazonは「Amazon GO」というレジのないコンビニをシアトルでオープンした。こちらもオープン前から話題を集め、現在も連日多くのお客様が訪れているという。

しかしなぜAmazonは立て続けにネット販売事業と対極の行動に出たのか。理央さんは本書でこう考察する。 Amazonの生命線は、購買履歴など各種データを基に利用者の好みを緻密に分析し、お客様におすすめの商品を表示する「レコメンデーション機能」だ。多くのECサイトがこの機能を搭載する中、Amazonのそれは群を抜く。 このレコメンデーションに役立てるデータ、つまりお客様のリアル店舗での購買行動を収集するのが、リアル店舗展開の目的ではないか。

事実、「Amazon GO」の天井にはセンサーのようなものが設置されている。お客様がどこに向かって歩き、どの商品を見て、次にどの商品と見比べ……というように、センサーですべての行動を観察しているようだ。

ネットとリアルでの購買行動がどう違うのか、共通する点はどこかなどを解析し、よりAmazonのサイトを盤石なものにする目的があるのではないか。そのために1.5兆円もの莫大なお金を投資したのではないか。理央さんは本書でこのように考察する。私たちの購買行動は企業にとって大きな価値があるのだ。

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