変貌するフェリー
フェリーと言えば、どんなイメージをお持ちでしょうか。
車ごと海上を移動する手段。トラック運転手がたくさん乗っている。エンジン音のうるさい船室で、大勢が雑魚寝。“船旅気分”はないものの、安く目的地に行くことができる。レストランはなく、軽食程度しか食べられない。
長距離航路のフェリーは別として、これまであまり良いイメージではなかったはず。
しかし、四国開発フェリーが運行する「おれんじフェリー」は違います。営業航路のひとつ「おれんじおおさか」は、新造船を導入し、豪華フェリーとして再出発しています。全室個室となり、多様な要求に応えています。スイートルームやシングルルーム、バリアフリー、ペット可などの客室を作り、サイクリング客用には自転車スタンドも用意。
また、トラック運転手だけではなく、旅行客を呼び込む手段として、ビュッフェ形式のレストランをオープンさせています。和洋中約40種類の料理を用意し、旬の味覚を楽しめるようになっています。特に、四国周辺の海鮮に力を入れています。
「食」は人を惹きつけます。美味しいものがあるなら、そこが船の上でも、人びとは集まってくるのです。これまでの問題点を解決し、利用者の望みを叶えていった結果が、業績回復に繋がったのです。
移動の手段でしかなかったフェリーが、いま“船旅”へと変貌を遂げたのです。
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