韓国の絶望。トランプの年明け北朝鮮攻撃で瀕する国家滅亡の危機

 

今回のケースでは、いくつかの要因が絡み、これまでにはないほど北朝鮮への攻撃機運が高まっています。

一つは、【すでに米国上下院ともに、北朝鮮の核とICBMを国家安全保障上の脅威とみなし、武力行使を含む厳格な対処を大統領に委ねている】点です。

2017年から2018年にかけて、北朝鮮が度重なる核実験と、衛星の打ち上げと称したミサイル実験を繰り返し、2018年には北極星15号と名付けられた、アメリカ全土を射程距離に収めるとするICBMが完成したとの見解が強まりました。それを受けて、世論も日に日に【北朝鮮攻撃やむなし】との風潮に流れ、それに後押しされる形で、議会も北朝鮮をアメリカの国家安全保障に対する脅威と認定して、ヒットリストに入れました。

つまり、トランプ大統領とすれば、現在、impeachmentに関わるいざこざはあるにせよ、議会からのお墨付きをベースに、攻撃に踏み出す障壁はすでに取り除かれているといえます。

二つ目は、【米韓関係の悪化がもたらす、アメリカによる韓国切り】です。

このメルマガでも再三お話ししていますが、米朝首脳会談のきっかけづくりに文政権は貢献しましたが、その後も【米朝間の仲介役】を自任して、アメリカと協議することなく、勝手に世界中を飛び回り、“景気のいい”ことばかりを吹聴して回ったことにトランプ大統領が激怒し、それ以降、アメリカは安全保障面でも経済面でも韓国を全く信用していません。そこに止めを刺したのが、昨今の韓国による日韓のGSOMIAの一方的な破棄通告でした。駐韓米大使(ハリス大使)や国務省の高官、そして元国家安全保障問題担当補佐官であったボルトン氏、そしてポンペオ国務長官などからの要請に耳を課さずに通告に踏み切ったことは、アメリカに異例の対応を取らせることになってしまいました。経緯と結果はすでにご存じの通りですが、これでアメリカとしては、【北朝鮮への軍事攻撃に出た際に生じる同盟国韓国への被害の可能性を考慮しなくても済むようになり、比較的楽に攻撃命令を下すことができる状況になっているといえます。

米韓関係の悪化は2015年の米大使館(ソウル)への暴徒侵入事件と大使殺人未遂事件に端を発していますが、その後、トランプ政権の下、大使館員の家族をアメリカに帰還させる手続きを取ったり、韓国に進出しているアメリカ企業に対して“安全保障上の勧告”を出したりして、American interests and livesの引き揚げを進めています。

そして、在韓米軍の撤退が近日中に現実になることで、アメリカは韓国を安全保障上切るという選択肢を取ることになりそうです。表向きは、在韓米軍への経済的な貢献(支出)を大幅増にする要求を投げかけて、それを拒否させることで、駐留することはできないとの結論を得て、撤退に舵を切ることになるようです。

三つ目は、【対立しているはずの中国とロシアが、北朝鮮をめぐる軍事行動には参加しない】という見通しです。

米中は貿易戦争をはじめ、南シナ海での軍事的な緊張、アフリカ大陸・中東地域での経済的な権益の争いなどで対立関係にありますが、中国にとっては国境を接し、安全保障上の脅威を感じるはずの北朝鮮における有事には、今回は軍事的には非介入のようです。

ロシアも同じような感じです。これまでに北朝鮮エリートはロシアで教育を受け、軍事技術もロシア(旧ソ連)から提供されていましたが、今はその流れも止まり、ロシアは北朝鮮からの大量の難民を警戒して国境線をすでに閉鎖しています。

表立っては米中、そして米ロは多方面でぶつかっていますが、どうも北朝鮮問題では、外交上の駆け引きはあるものの、北朝鮮有事の際の中ロ不介入と、戦後の復興プランへの中ロのコミットメントという点ですでにアメリカも合意しており、
仮にアメリカが攻撃を行った場合には、外交的な非難はしても、軍事的に北朝鮮の後ろ盾にはならない、というのが方針のようです。

軍事的な衝突に発展することを避ける狙いと、対米外交でのポジション取りという観点から、北朝鮮の非核化をめぐる国連安保理決議の緩和を訴える立場を取りますが、どこまで本気でそれを押し通すのかは不透明です。

ゆえに、総合的に見れば、アメリカが北朝鮮を攻撃するか否かは、あとはトランプ大統領次第ということになるのではないかと見ています。

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