失業申告2000万人以上の米国で「銃」と「ひよこ」が売れる理由

 

治安が悪くなるかも

日本と違って、アメリカは失業者が増えたら犯罪や暴動が発生して、治安が悪くなるというシナリオが濃いです。最近は銃が飛ぶように売れているそうです。そして一方で、ひよこも飛ぶように売れているのだそうです…。銃とひよこ、怖いんだか可愛いんだかわけわからんですが、にわとりを育てて卵を産ませようということなんでしょう。スーパーでの食材のパニック買いが起きる一方で、ひよこのパニック買いも起きているわけです。可愛く聞こえますが、ひよこを買い求める人たちはもちろん真剣です。

いざという時に、自給自足をしようという考えなわけですから。確かに、本当に極限の状況を仮定したら、にわとりを飼っているのは強いでしょう。そんな中、きっとひよこ泥棒も発生するでしょう。そして夜中に鶏小屋に忍び込んだら、容赦なく銃で撃たれるでしょう。映画のような世界です。

ちなみに、これは会社の同僚に聞いた話ですが、お隣のニューハンプシャー州では他人が自分の敷地に入ってきたら侵入者とみなして銃で撃っても良いのだとか…。なんちゅう乱暴な!一方で、マサチューセッツ州は侵入した家の庭のプールで溺れたら、家主を訴えても良いのだとか!なんちゅう理不尽な!アメリカは特に保守派の人たちは「自分の身は自分で守る」という文化があり、そのために銃やひよこを買いに走るのかもしれません。

一方でリベラルな人たちは、銃やひよこには走りませんが、「政府がなんとかすべき」という考えが強い印象です。僕は保守派にもリベラル派にも驚かされることが多いので、どちらの肩を持つ気もありませんが、こういった危機がやってくると双方のコントラストがハッキリします。

僕は「フリーシンカー(自由に考える姿勢をもつ人種)」です。アメリカの保守とリベラルのコントラストを見ていると、どちらも非常に極端で洗脳されていると感じざるを得ません。人というのは、自分が欲する情報だけを求める傾向があります。生まれ育った環境が保守派ならば、そういったメディアの情報を求めるし、逆にリベラルならばメインストリームのメディアから情報を得ます。

そして、何か危機が起きた時には人は「ブレイム(責める)対象」を欲します。僕の身の回りのアメリカ人も「あいつのせいだ」「こいつのせいだ」とギャーギャー騒いでいます。差別が多いのはトランプのせい、株価が落ちたのはコロナのせい、失業したのはアジア人のせい、などなど。「~のせい」と決めてかかるのは、そうすると物事が一見簡単に理解できて一時的に安心できるからです。しかし実際には、物事というのはそんなに簡単ではありません。様々な理由が重なって結果が起きるものです。

ちなみに僕は「~のせい」というような方程式はすぐに破綻すると思っています。ハッキリ分かっていることは、銃に頼ったら危険だと思うし、政府に頼っても危険だということです。僕は保守派ではありませんが、むしろ一番頼れるのはひよこだと言ってもいいくらいです(しかしひよこを過信すると、しおちゃんがとっ捕まえてガブリとするので過信はできませんが)。

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