豊臣秀吉「中国大返し」に学ぶ、現代のビジネスで天下を取る方法

 

ところで、人が“動く”については、もう一つの働きかけがあります。安定化した組織においてとられるもので、一般的に“管理”と称され行われていて、ほとんどが“活性化”については機能しません。

また秀吉がらみで事例をあげたいと思うのですが、少しこじつけの感はぬぐえませんが「朝鮮に侵略した文禄・慶長の役」でのことです。どのような動機で行ったのか諸説あり定かでないのですが、諸大名は喜んで加わったのではないことは確かでしょう。それは“動かざるを得なかった”から、そのようにしたと言えます。

人が“動く”については先にあげたように「夢を適える」ためにというものと「失いたくない」がためにというものがあります。そこで吟味していただきたいのですが「夢を適える」ためなら“自ら”をして労力を惜しまず励むでしょう。「失いたくない」は、それは“規制がなくなれば”動きを止めます。

「文禄・慶長の役」は秀吉の死去によって中止されたのですが、このとき諸大名等から撤退に反対する意見がでなかったのはとうぜんで、仕方なく“動いた”ものの、強制(管理)がなくなれば停止させます。これって給料を得るため一応のパフォーマンスは行うけれで、目が届かないならば「適当に帳尻を合わせよう」に通じるでしょう。

中堅企業がITベンチャー事業に成功せず、新興の名もなき企業が一気に事業を立ち上げて、急成長するのはこれがためです。成功するベンチャー企業では、組織がフラットで価値観を共有して、そこでは自由なコミュニケーションが交わされ、福利厚生制度も整えられ、上司を気遣うことも少なく自由度が高く居心地も良いようです。

これはあくまでも成果を実現していて、業績の良い企業の話です。それも、居心地の良いというのは、自身の能力の限界に挑戦して成長すること求める者、何かを達成したい者にとっての話ですが。人にはそれぞれに得意や強みや好みがあるのですが「人が雇われるのは強みのゆえであり、能力ゆえである」はドラッカーの言葉です。

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戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。

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【著者】 浅井良一 【発行周期】 ほぼ週刊

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