本物のチャンスか、無謀な賭けか。「成功者」はこう見極めている

 

では、成功者はどうやって、10メートルの高さに設置された30センチの板を足を踏み外さずに渡りきってきたのでしょう?彼らは単に運が良かった?それとも、危険を感じないくらい度胸があるってこと?

成功者だって、わたしやあなたと同じなんです。恐怖心があれば、平常心を維持できずに失敗してしまうんです。

でも、彼らは、“臆病”であることを認め、それを武器として、予め危険を分析して、自分の恐怖心がなくなるように、様々な工夫をしているんです。

実は、ヴァンクーバーで夕食を共にした成功者のD氏は、資産家の息子で、親戚や親の遺産だけで数億円というお金を手にし、人もうらやむ億万長者。でも、彼はそれに浮かれずに、大手の食肉会社の貿易部長として、ソーセージ輸出で大成功を収め、その当時は、次のステップとして、その仕事をさらに発展させるために、新会社を作る計画を練っていたのです。

事業計画等の準備は、基本的には今までの知識と経験で全部彼ひとりでやってきたようです。わたしも全部見せてもらいましたが、その計画では、自分の投資額は最小限に抑えて、ちゃんと投資家を説得するような緻密な事業計画を組んでいました。

事業計画では、2年半ですべての投資を回収し、その後は年間何億という利益が見込めるようになっていました。

投資額見込みは、約5億円。

それを、今いる会社、投資家、今の最大バイヤーである日本のある大手の会社、そして残りを彼個人でシェアするような計画になっていて、計画の大前提が、彼の資産のうち一部だけを当てる計画になっているんです。ただし、新会社のCEOには彼がなるようになっています。

わたしなんかが見ると、そのくらいの投資額なら自分で全部負担できるくらいの資産を彼、持ってますから、人を説得する面倒な作業をするくらいなら、また、今の資産をさらに何倍にもする可能性を考えたら、自分のお金でさっさと会社作ってしまえばいいのに、って思ってしまいます。

でも、ここが成功者の違うところなのですね。

本物の投資家を説得できないような計画だったら、自分のお金を継ぎこんでもまずは失敗に終わってしまう。そして、実際に投資家が飛びついてくるような話だったら、そのときは自分の財産をつぎ込む価値がある、ということ。

つまり、このチャンスが本物のチャンスなのか、単なる無謀な賭けなのか、ちゃんと客観的に見極めてもらっているんですね。また、そして、それが本物のチャンスだったとしても、決して自分ひとりで儲けようとは思わずに、ちゃんと応援してくれるひとたちを巻き込んでいます。

要は、危険を避ける策をいくつも打っているんですね。要は、30センチの板を渡る前に、ちゃんと危険を避けるための手をいくつも打っているんです。

print
いま読まれてます

  • 本物のチャンスか、無謀な賭けか。「成功者」はこう見極めている
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け