5人に1人がナプキン買えない「生理の貧困」 経済的理由だけではない、母親による“ネグレクト”の背景も

2021.03.09
by tututu
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コンビニ大手・ファミリーマートが、生理用品25種類を3月9日から12月31日まで、通常価格(税込価格)より2%引きで販売することを発表した。HUFFPOSTなどが報じた。日本でも5人に1人が生理用品を買うことに苦労するという現状の中、無料で生理用品が配られる取り組みが行われるなど、世界中で「生理の貧困」が問題となっている。

日本でも起きていた「生理の貧困」

国際女性デーとなる3月8日、国際的なNGOなどがアメリカで実施した生理に関する調査の結果を発表し、コロナ禍で女性の5人に1人が生理用品を手に入れるのに苦労したと答えたことがわかった。

しかし、これは海の向こうの話だけではない。

生理用品の軽減税率適用などを求めている「#みんなの生理」という団体が高校生以上の学生を対象にアンケート調査を行ったところ、こちらも5人に1人が「金銭的理由で生理用品を買うのに苦労した」と回答したことが明らかになった。

671件の回答があり、過去1年の間に「金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある」という人の割合が20.1%、「金銭的な理由で生理用品でないものを使った」と答えた人の割合が27.1%、「生理用品を交換する頻度を減らした」と答えた人の割合が37.0%という結果が得られたという。

日本でも「生理の貧困」が起きている実態が明らかとなったのだ。

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生理用ナプキンを無料配布する取り組み

海外の一部の国では、政府が生理用品を無料で配布したり、軽減税率を導入したりする取り組みが行われているが、日本では国による生理用品の無料提供などの政策はない。

そんな中、ショッピングモールの女性用トイレに無料の生理用ナプキンを配布する実証実験が行われている。

これはオイテルという会社が埼玉県にあるショッピングモール「ららぽーと富士見」で行っているもので、1階女性個室トイレの一部に設置されている。期間は2月24日から3月23日まで。

同社は「生理用品を購入する経済的負担と持ち歩く労力を幾分まかなえないか」という思いからこうしたサービスに取り組んでいるといい、「トイレにあって当たり前のサービスになると信じています」としている。

「生理の貧困」母親によるネグレストも背景

日本でも5人に1人が生理用品を買うことに苦労するという衝撃的なデータが明らかになったが、しかし貧困だけが問題ではない。家族関係が原因の場合もある。

母親がネグレクトで生理用品を与えてもらえなかったり、それを購入するためのお金をくれるわけでもないなどがそのケース。

ティッシュやトイレットペーパーを何枚も重ねて代用したり、タオルを自分で洗いながら利用したりする女性もいるという。

また、父子家庭で育った女性は、思春期の頃は恥ずかしくて初潮がきたことを言うことができず、学校の先生が気付いてあげられるまで泣きながら過ごしたという話もある。

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日本の生理用ナプキンは世界最高品質だといわれている。しかし、それを手に入れることができない女性たちも多くいる。

女性特有の生理現象だからこそ、そこに格差があってはならない。トイレットペーパーなどと同様に、誰もが無料で利用できる日が訪れることが望まれている。

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