甘利幹事長は真っ黒。元検事が読み解く「検察審査会議決書」の説得力

 

     議決の趣旨

 

本件被疑事件について,

 

1   被疑者甘利明に対する各不起訴処分は,いずれも相当である。

2   被疑者K健一に対する公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反被疑事件のうち後記被疑事実1(1)及び同2(3)についての各不起訴処分は不当,その余の不起訴処分はいずれも相当である。

3   被疑者S陵允に対する公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反被疑事件のうち後記被疑事実2(3)についての不起訴処分は不当,その余の不起訴処分はいずれも相当である。

 

     議決の理由

 

第1    被疑事実の要旨被疑者甘利明(以下「被疑者甘利」という。)は衆議院議員であって,政治団体である自由民主党神奈川県第13選挙区支部(以下「第13選挙区支部」という。)の代表者であるもの,被疑者K健一(以下「被疑者K」という。)は,被疑者甘利の秘書であって,第13選挙区支部の会計責任者であったもの,被疑者S陵允(以下「被疑者S」という。)は被疑者甘利の秘書であったものであるが

 

1 被疑者甘利及び被疑者Kは,共謀の上,平成25年5月9日,神奈川県大和市内所在の大和事務所において,A社の交渉担当者であったBから,国が資本金の二分の一以上を出資している独立行政法人Cが実施する道路整備事業に関し,独立行政法人CとA社の補償契約に関して請託を受け,被疑者甘利の衆議院議員としての権限に基づく影響力を行使して,独立行政法人Cに対し,A社に補償金を支払うようあっせんしたことにつき,その報酬として

 

(1)同年8月20日,同事務所において,Bから現金500万円の供与を受けた。

(2)同年11月14日,東京都千代田区内所在の被疑者甘利の大臣室において,Bから現金50万円の供与を受けた。

 

2 被疑者甘利,被疑者K及び被疑者Sは,共謀の上,平成26年2月1日から平成27年11月までの間,Bから,独立行政法人CとA社の産業廃棄物に係る補償契約に関して請託を受け,被疑者甘利の衆議院議員としての権限に基づく影響力を行使して,独立行政法人Cに対し,A社に補償金を支払うようあっせんすることにつき,その報酬として

 

(1)平成26年2月1日,前記大和事務所において,Bから現金50万円の供与を受けた。

(2)平成26年11月20日,Bから現金100万円の供与を受けた。

(3)平成27年中,Bから, 53回にわたって,現金合計795万円の供与を受けた。

(4)平成27年6月頃及び同年11月頃,Bから,パーティー券代名目で現金合計40万円の供与を受けた。

 

(以上につき公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(以下「あっせん利得処罰法」という。)違反)

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