世界は、パワハラを撲滅する方向に進んでいるのに、やっと「パワハラ防止法」にも、「禁止」の文字は書かれていません。
私はパワハラ事件が明るみになる度に、コラムに書いたり、テレビやラジオで発信しているのですが、その度に多くの人たちが「実は私も…」と自分の経験談をSNSを通じて送ってくれます。
その内容を見るたびに、日本企業の無責任さと、パワハラをする人たちの幼稚さと、日本という国が「人権後進国」であることを痛感させられるのです。
先日も、こちらのコラムを(「罵倒、恫喝、隠蔽三昧 パワハラ王国日本と企業の下心」)公開したところ、多くの人たちからメールが届きました。
そのうちの一人は私の古くからの友人でした。海外駐在を終えて、本社に戻った際に、上司からパワハラを受けていたというのです。
皆の前で怒鳴られ、罵倒され、書類を投げつけられたりしたことも度々あったそうです。
しかし、彼曰く「その度に応戦した。我慢するなんてありえない。それで飛ばされても仕方ないと思った」と。
そう思えたのは、米国や欧州の国々に駐在し、世界のビジネス環境を体感し、「不当な職場環境で我慢して仕事をする必要などない」という思考を持てたからだと断言します。
さらに、彼は「海外にもパワハラはあるが、日本のように幼稚に怒鳴ったり罵倒することは低次元すぎて、恥ずかしくて言えないレベルだ」と言っていました。
ある意味、これは日本の上下関係、先輩・後輩、上司・部下をいう縦社会で培われた、「上は絶対」の名残かもしれません。
みなさんのご意見、お聞かせください。
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