岸田政権が“殺した”コロナ患者2ヶ月半で9千人。「まん防」続けただけの無意味

 

大阪大学の感染症総合教育研究拠点で特任准教授をつとめる北村周平先生が、これまでに「まん防」が適用された昨年4~5月、6~7月、8~9月、今年1~3月の4つの期間で、措置を実施した自治体としなかった自治体との感染者数、重症者数、死者数などを比較したデータを発表しました。それによると「措置を実施しなかった自治体より実施した自治体のほうが人口当たりの重症者数が1~2割減少」という結果が得られたのは「まん防」が初適用された昨年4~5月だけで、それ以降は効果が見られません。

「まん防」における感染抑止策の柱は、飲食店に対する時短営業や酒類提供の自粛要請ですが、この対策に何の効果もなかったことが数字で証明された形です。北村周平先生は「この分析結果のみから判断することは難しいが」と前置きした上で「今後、また重点措置のような対策が必要になった場合、ゼロベースで効果的な措置を考え直す必要もあるのではないか」と指摘しました。

飲食店が多い札幌市の秋元克広市長も、飲食店を対象にした政府の対策について「必ずしも(現状と)マッチングしているとは思えない」と指摘し「飲食店への営業時間制限などの対策は効果がなかった」と結論づけました。道内では学校や高齢者施設などで感染が拡大しているため、秋元市長は「今後は学校や高齢者施設などへの効果的な対策を検討し、重症者や亡くなる方を少なくしていく対策に重点を置く」と結びました。

これは北海道に限ったことではなく、現在の第6波のオミクロン株は、全国的に保育所や学校や高齢者施設などでクラスターが多発しており、家庭内感染でも広がり続けています。これは1月後半には分かっていたことで、岸田首相も全国知事会からの「オミクロン株の特性に応じた対応をお願いしたい」との要望を受けて「今後はオミクロン株の特性を踏まえた感染対策へとさらに改善を検討していく」と明言しました。

しかし、次々と大風呂敷を広げるだけで何ひとつ実行しなかった安倍晋三元首相が「言うだけ番長」なら、岸田首相は「聞くだけ番長」なのです。自ら「聞く力は誰よりも優れている」と胸を張るだけあって、1月の全国知事会からの要望もホイホイと聞いていましたが、今日まで2カ月間、「オミクロン株の特性を踏まえた感染対策」など全く講じませんでした。

それどころか、菅義偉前首相のマネをして3回目のワクチン接種の「1日100万回」を掲げた挙句、これが達成できないと分かると、大慌てで計算方法を変更して「机上の達成」を発表しました。その上、夏の参院選に向けて「やってる感」をアピールするために、すでに効果がないことが分かっている「まん防」をダラダラと延長し続け、数えきれないほどの飲食店を苦しめ続けて来たのです。

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