大企業あるあるの停滞なし。なぜ「ラックス」のユニリーバは売れ続けるのか

April 29, 2021, Brazil. In this photo illustration the Unilever logo seen displayed on a smartphone screen
 

ITやDXは手段であって目的ではない

ユニリーバは元々、ブランド構築が得意なことに加えて、バリューチェーンと呼ばれる、製品を開発して、流通にのせ、販売店から消費者に渡る、“一連の流れ”の中でどう売るか、を考え実施するのが得意な企業です。

今回もバリューチェーンを見直して、ユーザーと関係性を構築するには、どこにどんなデジタルのテクノロジーを入れればいいのか、という顧客視点で考えているようにみて取れます。

ITはあくまで手段であって、目的はお客様価値を生み出すことです。どうしても、周りがITを取り入れると、「うちの会社もやらなければ!」と、ITを取り入れることをメインに考えてしまいがちです。

しかし、ITやDXは手段であって目的ではありません。

ユニリーバの取り組みを見ていると、商売の基本であるお客様視点が大事だ、というミッションの元に、アクションをとっています。

この姿勢でいることは、簡単なようで、企業としてキープしていくのは、非常に難しいのです。

ユニリーバのようになるためにまずやるべきは、MVVと呼ばれる、ミッション、ビジョン、バリューを掲げること。

しかし、それだけでは十分ではありません。MVVが社内に浸透し、社員が同じ価値観で動いて、はじめて、企業文化になり、ユニリーバのように、顧客視点の情勢、IT導入による利益向上、社会貢献、といったことを同時に成し遂げることができるのです。

MVVや経営理念そのものは、企業の哲学なので、とても抽象的です。

社内に浸透させるということは、社員一人一人がMVVをはらおちさせ、行動の規範にできるようになることを指します。

この浸透が難しいので、企業は苦労するのです。

浸透させる1つの考え方として注目されているのが、OKRです。

実現が難しいけれどやるべき目標=Objectiveを決め、実現に向けて必要なKey Resultsを設定する、という考え方です。

GoogleやIntelが取り入れ、成果を出したことで、有名な考え方です。

OKRは非常に重要で有益なので、またいつかこのメルマガでも紹介します。

OKRのような考え方や手法は数多くあります。

大事なことはMVVを社内に浸透させること。そのために「自社にとって何が最適か」を見極めて、多くの中から選ぶようにしましょう。

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image by: rafapress / Shutterstock.com

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