コンビニ店員に「なぜマスクしない?」と激怒する客。まだ接客業は“マスク必須”なのか

2023.04.05
 

マスク着用が個人の判断に委ねられてから早3週間。道を歩いていると“ノーマスク”の人と遭遇する機会も増え、徐々にコロナ前の日常に戻りつつある。だが、仕事柄「マスクを外せない人」もいる。「客は任意、従業員はマスク着用」のルールが適用される大手デパートやコンビニも存在するようだ。とはいえ、接客に従事する人も人間だ。息苦しいマスクを外したい思いは当然あるだろう。

「どうしてマスクしてないんですか?」店員にキレるおばさん

昨日の23時過ぎ、筆者が某コンビニに来店したときの話である。

商品をレジまで運んでいると、「どうしてマスクしてないんですか?」という大きめの声がレジ付近から聞こえた。

レジに到着すると、50代くらいの女性客が20歳そこそこの若い男性従業員に対して「えっ、接客業ですよね? 会社からマスクしなさいって言われてないんですか? それともあなたの判断ですか?」と、淡々と詰めている最中であった。

筆者はコロナ禍の3年間で、いわゆる“マスク警察”的な人間を見るのが初めてだったので多少興奮を覚えながらも、客に怒られている若い店員を気の毒に思った。

コロナウイルスを恐れる人にとってマスクが安心材料であることは確かだ。「自分はマスクをしているんだから相手にもしてほしい」と求める気持ちもわかる。しかし、「マスク着用が個人の判断に委ねられた」のだから、接客業の人とはいえそれを求めてはいけないのではないだろうか。

飲食店だからマスクをつけないとダメ?

しかし、実際にはそうもいかないらしい。某飲食店に勤める女性が語る。

「うちは個人店で、オーナーに『3月13日からはつけてもつけなくても良いよ』と言われたんです。私はまだ怖くてマスクを着用しながら仕事をしていたんですが外す同僚もいました。そしたらある日、『飲食店なんだからマスクはつけないとまずいんじゃないか?』って店に電話があったんです。それも複数回で、たぶん同じ人だそうです。結局、『Googleとかに変な口コミ書かれたら面倒だから』とオーナーが弱気になっちゃって、今では“なるべくマスクを着用する”というルールに変更されました」

個人で飲食店を営む男性もこう言う。

「口コミに『コロナ対策×』とか『不衛生で二度と行かない』と書かれることがよくあります。こっちとしては『二度と来てくれなくても結構』なんだけど、やっぱり今の時代、口コミは集客の力になるので無視できない。だから、うちも従業員に『マスクを外していいよ』とは言えてないです。まあ、つけてない子がいても指摘はしないですけどね」

筆者も飲食店の口コミをいくつか閲覧してみたが、「店員がノーマスクで話していて不快」「ノーマスクで調理。唾液が料理に入ったらどうするんだ!」といった書き込みがチラホラあった。当然、星一つの評価である。残念ながら、飲食店や接客業に従事する人間の“ノーマスク” は許さない! という人はまだまだいるのだ。

「まあ、3年もつけてましたからね。これからもつけてればいいんですよ。そっちの方がいろいろと考えてもラクですから」と、前出の飲食店経営者は語る。

すべての人が、本当の意味での“個人の判断”ができる日はやってくるのだろうか?

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