日本人のTikTok動画はなぜマレーシア人を怒らせてしまったのか?

 

コレが「日本語の中」だけで完結してればいいんですが、翻訳されるとたちまち炎上する。自分のグループの外にいる他者の視点が見えないまま、英語だけ覚えても、アジアで働き出したら、揉め事だらけになります。その意見をどうしても言いたくなってしまうなら、ずっと日本にいた方がマシです。

「なんで好き嫌いを素直に言っていけないの?個人の感覚を素直に伝えてるだけでしょ」と私もきたばかりの頃なら言えましたが、最近では少し意見が変わり、相手の文化へのリスペクトが重要だと思うようになりました。日本の特定の地方に行って、「この地方の料理はまずい」とか言わないのと同様です。

「和食が大好き」なマレーシア人にも本音と建前があり、「毎日日本料理」かというと全然違うし、その「日本料理」だって、マレーシア風にアレンジされてたりします。実は日本食が苦手な方もいて、味噌の匂いが苦手だったり、生魚が食べられない人もいます。

「理解できない」味覚があるのは仕方ない。でも、それに対して、「**料理はまずい」と言ってしまうと、炎上してしまうんですね。そこは理解しておくと良いと思う。

世界の人たちも同様に、自国の食文化を愛している。そこに上下関係はないし、正誤もない。「他者に対するリスペクトが大事だ」と言われますが、他者の文化について意見を言うときには、少し気をつけたほうがいい点かもしれません。

「そんなの正しくなくない?正直に伝えて何が悪いの?」と思われるかもしれないけど、それが周りの人とうまくやっていく秘訣なんだと思います。

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image by:nikkimeel/Shutterstock.com

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文筆家・編集者。金融機関を経て95年アスキー入社。雑誌「MacPower」を経て以降フリーに。「ASAhIパソコン」「アサヒカメラ」編集者として主にIT業界を取材。1990年代よりマレーシア人家族と交流したのときっかけにマレーシアに興味を持ち11年以上滞在。現地PR企業・ローカルメディアの編集長・教育事業のスタッフなど経てフリー。米国の大学院「University of the People」にて教育学(修士)を学んでいます。 著書に「東南アジア式『まあいっか』で楽に生きる本」(文藝春秋)「子どもが教育を選ぶ時代へ」「日本人には『やめる練習』が足りていない」(集英社)「いいね!フェイスブック」(朝日新聞出版)ほか。早稲田大学法学部卒業。

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【著者】 のもときょうこ 【月額】 ¥1,320/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 木曜日

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