日本人のTikTok動画はなぜマレーシア人を怒らせてしまったのか?

 

ちょっとお金があるだけで「勝ち組」と決めつける。いい大学いけば人生成功すると思い込む。GDPを見て「負け組だ!」と騒ぐ。みんな根っこは同じだと思う。ジャッジメントが早すぎるのでは。

これが「ドリアン苦手」「ペタイは臭い」とか個別の感想だったら、そんなに問題にならないと思うんですね。それがコメントの「どこに行って何を食べたのか?」なんだと思います。また、マレーシア料理と言っても、本当に色々あるので、一部を見て全部を決めつけたら難しい。それに、外国の料理を食べてすぐに判断するのってそもそも難しくないですか。

異文化の料理に慣れるには、それなりに時間が必要です。赤ちゃんだって、いきなり日本の全部のものが食べられるわけではなく、野菜や肉など、時間をかけていろんな味に慣れていきます。「自分は好き嫌いがない」と豪語する人だって、克服してきた歴史があったりすると思う。

モノカルチャーで育つことの難しさ

マレーシアには自国の食文化に誇りと愛情を持っている人が多いです。マナーとして食べ物だけはディスるな、と言っている人もいます。

「え、日本料理の方が美味しいでしょ」と思われる方もいると思うのですよね。でもでも、同じように、他の国の人も自分の料理が一番美味しいと思っているかもしれない。その視点を持つと、全てが違って見えてきます。

例えば、東京の人が大阪に行って、「関西の食べ物はまずい」とか言ったら、やっぱり議論が沸き起こると思うのですよね。人の舌はそれぞれだから、固有の文化には意味があってそうなってるのです。

今大学院で「反偏見教育」について学んでいて、「自分の正義が他人の正義じゃない」ことを教えるべきでは、という議論をしています。

モノカルチャーすぎる環境の中で育つと、自分達の感覚=正義になってしまいます。教室に多様性がなかったり、そもそも似たような人とだけ育っていることもあると思う(私もつくづく自分はそうだと思う)。SNSも「日本人とだけ」やってる人が多いですね。

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