偉業を達成してもなお進化を続ける羽生善治が大切にしている事

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日本の将棋界で多くの伝説ともいえる偉業を成し遂げてきた羽生善治さん。『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、羽生さんに棋士にとって一番大切なものについてインタビューした際の記事を掲載しています。

打たれ強さ、これに尽きる

将棋界において前人未到の7冠や通算1,500勝を達成し、いまなおさらなる高みに向かって進化を続ける羽生善治さん。

最近では、藤井聡太さんとの熱戦、そしていま日本将棋連盟の新会長を決める選挙に立候補し、注目を集めています。

羽生さんが長く進化成長、活躍し続ける秘訣とは──。

※ 対談のお相手は世界的指揮者の小林研一郎さんです。

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小林 「羽生先生は2017年、渡辺明先生から竜王位を奪取したことによって永世七冠を達成されます。それまで誰一人として果たせなかった大変な偉業を成し遂げられました。しかし、その後、AIなどの台頭で棋士として大変、苦しい時期を過ごされますね」

羽生 「おっしゃるようにタイトルを七つ取った後、それが若手に奪われていく時期が続きました。しかし、勝負の世界なのでそういう浮き沈みがあるのは当然だと思っているんです。自分としてはそれほど気にはしていなかったんですけど、ファンの人たちが心配してくれて味噌や野菜を送ってくださったりしました(笑)。

もちろん、将棋の世界も新しい人や新しい考え方が出てくるわけですし、そういうものに学んでいく姿勢は常に決して忘れてはいけないと思っています」

小林 「それは僕たちも同じです」

羽生 「棋士にとって一番大切な課題は、やはり負けた時にどう気持ちを切り替えられるかでしょうね。結果は人のせいにはできないし、自分が選んだ手は完全に自分の責任なんですね。将棋に偶然性というものはありません。ただ、それを100%受け止めるのは相当きついので、結果については自分の負担にならないようにワンクッション置いて、ある程度処理した上で受け止めることにしています。

そういう意味で言うと、睡眠はすごく大事です。単に長く寝ればいいというのではなく、しっかりと休息を取ることで体も安まるし、気持ちも切り替わる。簡単なようで、これがなかなか難しいんです」

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