個人的にはChatGPTのようなAIの頭脳が、人間の潜在能力を引き出すことに繋がれば面白いと期待していますし、この先どんな未来が待ち受けているのか?興味津々です。
一方で、「言葉をつむぐ」という作業は考えること。言葉になるからこそ、人はまた考えることができる。その大切な作業がChatGPTのような“お利口さん“の登場で、ないがしろにされそうで懸念しています。ChatGPTは「あくまでも相談相手であり、答えを教えてくれる相手ではない」らしいのですが、作成した文章をお手本にすること自体、考える力を退化させます。
ただでさえ「自分の頭で考えなくても生きていける社会」です。周りに合わせ、周りに「自分」を埋没させ、普通至上主義がはびこっているのに。ヒントや無難な答えをすぐに教えてくれるAIに依存するようになると、知の遊びを楽しむ力が日本人から、より一層失われていくように思えてなりません。
数年前、大学の講義で学生に「本田宗一郎」について調べて、プレゼンする課題を出した際、ほぼ同じ内容のプレゼンをした学生が2人いました。2人ともネットで調べた情報を、まんま利用していたのです。
しかも、そのうちの1人はプレゼン資料に「本田宗一郎」じゃない「誰それ?」という写真を掲載していました。なんら疑いもなく、最初に出てきた写真を使ったそうです。
学生の中には、ホンダに勤めていた人にコンタクトし、独自情報からその時の社会情勢なども合わせて、本田宗一郎の人生の軌跡を、圧倒的な熱量でプレゼンした学生もいたのですが、それを聞いてる学生たちの目の輝きはいまだに忘れられません。
つまるところ、言葉をつむぐとは考えることであり、伝える力とは、どれだけ自分の頭で考え抜いたかで決まります。汗をかかないことには、「生きた言葉」は生まれません。生きた言葉だからこそ人を魅了する。聞いている人たちの心に届く言葉です。大切なのは試行錯誤したり、自分で考え、物事を決断し、進めていく能力をいかに身につけるか?です。
それに人間とは不思議なもので、美しい言葉よりいびつな言葉、役にたつ情報よりなんの役に立つのかもわからない情報の方が記憶に残ることだってある。人間に宿る「これでいいのかな?」という曖昧さが、次につながるようにも思います。
いずれにせよ今後のOA社と政府の関係には、注視した方がいいかもしれません。
ちなみに、ChatGPTに「本田宗一郎について教えて」と質問したことろ、以下の答えが返ってきました。さて、あなたはいくつ間違いを探せますか?
ChatGPTは相談するツールで、答えを聞くものではない、そうですが、それにしても…です。
本田宗一郎(ほんだ・そういちろう)は、日本の技術者、実業家であり、ホンダの創業者です。1906年に静岡県生まれ、1969年に創業したホンダの社長に就任しました。
本田は若い頃から機械いじりが好きで、自動車メーカーの巨大な機械から小さなラジコンまで何でも手当たり次第に分解し、修理していました。その才能が認められ、大学を中退して本田技研工業を創業し、オートバイや自動車の開発に着手しました。
本田は「技術者による経営」という考え方を持ち、自らも技術に精通することを大切にしました。また、経営者としても革新的なアイデアを多数提案し、自動車業界に多大な影響を与えました。例えば、小型の高回転エンジンを開発することで、軽量化と高出力化を実現し、自動車の性能向上に大きく貢献しました。
彼の手腕によって、ホンダは世界中で有名な自動車メーカーに成長し、世界的に成功した日本の企業の一つとなりました。本田は1989年に亡くなりましたが、彼の業績は現在でも多くの人々に称賛されています。
みなさんのご意見お聞かせください。
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