「保守系のネットコミュニティにはときおり工作員が入り込む」。こう語るのは、メルマガ『ねずさんのひとりごとメールマガジン』の著者で作家、国史研究家でもある小名木善行さんです。サイト自体を“イカれた”ものにするネット工作員への対策法とは!?
工作員がコミュニティを潰す方法
保守系のインターネットコミュニティには、ときおり工作員と呼ばれる変な人が入り込みます。
そしてそうした人達が入り込むと場が荒れ、気がつくとコミュニティそのものが当初の目的(たとえば日本を守りたいなど)がどこかに行ってしまい、まともな人達がいることができないおかしな空気が支配するものになります。
コミュニティの運営は、「必ずしも完全に開かれた世界が良いとは限らない」ということを忘れると確実に破綻することになります。コミュニティが目指す目的に応じて、必要なだけ開き、かつ必要なだけ閉じという場所を、どのように設計・運用するかが大事なのです。
従ってコミュニティの管理者は、拙速であっても分かり易い処置を素早く行なう必要があります。そのためには、以下の文にあるようなことを行なう者は、即刻除名の必要があります。
1.一般人を装って、中傷・極論・議論のねじ曲げなどあらゆる方法で煽り、不快でくだらない言い争いを誘発させる。(←これに誘発されてはいけません)
2.ほんの少しでも自分の発言に好意的な人を見付けたら、その尻馬に乗り、さらに煽りをエスカレートさせる。自分の発言に好意的な人を、近い将来味方になってくれる人として(オフ会などで)大事にする。
3.以上をしつこく何度も繰り返す。これによってコミュニティの管理者が悲鳴をあげたり、管理者が警告を発して来るのを待つ。
4.管理者の言葉尻を捕まえて、管理者の信用を失わせる。これが成功した時点で、コミュニティの破壊工作は成功したことになる。場合によっては、破壊工作に成功したことによって、破壊者側にファンがつく場合さえある。
5.ネットの場合なら、コミュニティの管理者が警告を発してきたら「検閲だ」と騒ぐ。特に、人文系のコミュニティの場合は「検閲だ」と騒ぐのが効果的とされる。なぜなら「検閲」という言葉に反応し、賛同するおっちょこちょいが必ず現れるから。
6.管理者が遠回しな言い方で権限を元に警告してきた場合は、「なぜこういう発言が悪いのか?」と疑問を発することも効果的。人文のコミュニティの場合は、「なぜ悪いか」が曖昧であることにいらだちを感じてる人が必ずいるから。実際には、工作員ではない別の方が「なぜ悪いのか?」と管理者に質問してくれる場合も多い。
7.以上とは別に不快な発言は、毎日続ける。なぜなら、それによって「管理者が不快な発言を制御できない」ことをはっきりさせることができるから。
こうして、管理者を四面楚歌の状態に追い込むことができれば成功。管理者は、一方からは「検閲だ」「開かれた討論の場という宣伝は嘘だったのか」と非難され、もう片方からは「不快な発言をする人をどうにかしろ」と非難されるようになる。ここまで行けば、管理者は運営が嫌になってコミュニティを閉じてしまうし、そうなる前にコミュニティから退会する人が大量に出る可能性も高い。
全てが終わった後には、潰れたMLの管理者がどれだけダメージを受けたかをじっくり観察することにしよう。その元管理者が、別の誰かから「あなたはMLの管理を失敗しましたよね」と言われ、ヒステリックに反応する場面を観察できれば最高なのだそうです。
もうすこし云うと、たとえばブログやyoutubeのコメント欄で、ある程度科学的な話をしているのに、これにオカルト、ニューエイジ、似非科学、反科学などのコメントや、宇宙人や世界を支配する陰謀論を毎日のように書き立てるのも、工作活動のひとつです。
興味をもった人は、コメント欄も読むものですが、そこにおかしなことが書いてあると、視聴者は「このサイトはそういうちょっとイカレタ(ごめんなさい)人達が集うサイトなのだ」と思って、まともな人達が離れていくのです。
多くの保守系のコミュニティは、基本、言論の自由、自由な発言を許容しています。このため、逆に破壊工作者にとっては実に工作をしやすい環境になっています。
しかし(ここが大事なのですが)いかなる団体でもコミュニティでも、そこには基本的な思想や考え方があるわけで、「万人に納得や満足のいく場や意見を提供する」ことは、そもそも不可能です。
そうであればコミュニティの意に添わない投稿や発言者までも許容する必要はさらさらないわけで、そういうごく一握りの人達によって、他の多くの方が不快な思いをするのであれば、問答無用でさっさと排除するのが正しい選択なのです。
この記事の著者・小名木善行さんのメルマガ
初月無料で読む
image by: Shutterstock.com