日教組が連合の「下駄の雪」でないなら、すぐ取るべき行動とは?

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日本教職員組合(日教組)の定期大会に出席するはずだった芳野友子連合会長がドタキャンしていたそうです。この機会に日教組が連合を抜けなければ、自民党の「下駄の雪」と揶揄される公明党と変わらないと主張するのは、教師として日教組の組合員だったこともある評論家の佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、日教組幹部に改めて読み返したらどうかと、今年7月に亡くなった僧侶で教育者の無着成恭さんの“呼びかけ”を紹介しています。

日教組は下駄の雪か?

7月15日、16日に日本教職員組合(日教組)が開いた定期大会に出席予定だった連合会長の芳野友子が直前になってドタキャンしたという。政府自民党に呼ばれると、いそいそとして出かける芳野は左派的な日教組が嫌いなのだろう。

私は前から日教組と自治労は連合から脱けろと主張してきたが、激怒しているという日教組にその気配はない。

これでは自民党と連立を組んで、岸田軍拡に引きずられて「どこまでも、ついていきます下駄の雪」とバカにされている公明党と変わらない。公明党は「下駄の石」とまで言われている。雪はとけてなくなるが、石はなくならずにくっついているからである。

理不尽なことに黙って従う教師たちが、言うべきことは言う生徒たちを育てられるはずがない。

私は大学を出てすぐに郷里に帰り、農業高校の教師となって、組合運動にも全力投球した。そしてストライキにも参加したが、「教育闘争をしない日教組」の委員長、槙枝元文(当時)に“辞表”を出すような気持ちで教師をやめた。それでもOBとして日教組には関心を寄せてきたのである。

最近、無着成恭の『山びこ学校』が岩波文庫に入った。無着はそれを見届けるようにして亡くなったが、日教組の幹部は無着の次の呼びかけを改めて読み返してみてはどうか。

いつも力を合わせて行こう。
かげでこそこそしないで行こう。
いいことを進んで実行しよう。
働くことがいちばんすきになろう。
なんでも、なぜ?と考える人になろう。
いつでも、もっといい方法はないか探そう。

惰性で連合に入っている日教組の幹部たちに無着のこの言葉は耳が痛いかもしれない。

8月10日付の『日刊スポーツ』「政界地獄耳」欄に、維新が全面的に関わっている大阪・関西万博の問題点が指摘されている。「身を切る改革」とは正反対の税金の無駄遣いをしてもパビリオンの建設はむずかしいらしい。ところが、この万博協会の理事に芳野が名を連ねているというのである。

来年4月から時間外労働の上限規制が適用されて建設環境はさらに厳しくなるが、万博サイドはこの規制から万博建設を除外せよと政府に訴えているとか。それに芳野は賛成するのだろうか。これまでの芳野の行動を見れば、はっきりと反対はしないと考えざるをえない。労働環境の改悪に連合会長が賛成したらマンガだが、彼女なら賛成する可能性が大いにあるのである。

そんな芳野の会長続投が決まったという記事が『朝日新聞』に出た。であるなら、なおさら日教組と自治労は連合から脱けるべきだろう。そうしなければ自民党と連帯して労働者と敵対する連合の共犯者となってしまうのである。芳野などにコケにされる日教組の組合員に自立した生徒は育てられないと私は断言する。

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