外国人観光客で賑わい、最近ではオーバーツーリズムの問題も取り沙汰される古都・京都。そのど真ん中とも言える祇園の町家を相続した読者から、活用法について相談されたのは、『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で、人気コンサルの永江さん。売却も考えているという10年来の読者に、自分なら商売をすると、そう考える3つの理由を説明。インバウンド向けの商売なら、「京都=和風」のような誰でも考えつくような商売はしない方がいいと、意外な例を1つあげてアドバイスしています。
相続した祇園の町家を活用するには
Question
2012年のVol.3号から購読させていただいております。遅ればせながら10年以上にわたるメルマガ配信ありがとうございました。毎号楽しみに拝読しておりましたが、今回初めて質問をさせていただきます。
このたび、京都の祇園にある町家を相続することになりました。町家は、飲食店や小売店が立ち並ぶ繁華街のど真ん中に立地しており、昼間は観光客、夜間は酔客がぞろぞろと歩き賑やかで、商売をするなら別ですが、住む環境としては微妙です。
私自身は、引っ越して住む予定もなく、空き家問題や民泊規制の厳しさを考慮すると、不動産価格が暴落しないうちに、売却したほうがよいのではと思ったのですが、近隣には貸家や民泊として運用されている町家がちらほらある状況です。
今から貸家や民泊をやって、うまくいく可能性はあるものなのでしょうか。過去、不動産運用の質問があった際は、都心部の単身者向け1R~1LDKマンションや生活保護世帯への貸し出しは可能性ありとお答えされていたかと存じますが、現在のご見解をお聞かせいただければ幸いです。
永江さんからの回答
10年以上前からご購読いただいているとのこと、ありがとうございます!とても良い質問ですね。結論から言いますと、もしわたしが質問者さんなら売らずに自分で商売を始めます。
理由は大きく分けて3つあるのですが、まず1つ目は金融情勢の変化です。これまで日本の不動産投資は超低金利時代に支えられてきたのですが、今は1ドル150円近くなり、このままいくと政府は金利を上げざるを得ない(不動産価格が下落する)ので、今後は不動産から株式投資に移っていくのではないかというのが周囲の専門家の共通認識です。
2つ目は、今後民泊規制は緩和される可能性が高いから。例えばタクシー業界は全国的にドライバーが不足して配車が追いつかないため、福岡市が一定の条件を満たせば普通免許でも乗務ができる制度の導入を目指し、国に特区の設置を要請するそうです。
● 普通免許でタクシー乗務できる特区設置要請で調整 福岡市 │ NHK
同様に、京都も祇園で宿を取るのは至難の業なので、京都や大阪、東京などの大都市は特区として今後民泊規制を緩和してくると予想します。
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