なぜ大谷翔平はWBCメキシコ戦でベンチに向かって「叫んだ」のか?

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日本を代表する野球選手となった大谷翔平選手。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、彼の強さについて、WBCで監督として活躍した栗山秀樹氏のインタビューの中から紹介しています。

大谷翔平選手の叫び

WBCで侍ジャパンの優勝を牽引した栗山英樹氏が、日本ハムの球団運営に関わる要職に就任されることが発表され、話題を呼んでいます。

本日はその栗山氏が『致知』10月号にて、円覚寺派管長の横田南嶺老師と対談された記事の一部をご紹介いたします。

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大谷翔平選手に見る「浩然の気」

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〈横田〉
決勝戦の最後がトラウト選手との直接対決。あの場面をご覧になっている時の監督は、これで抑えてくれると微塵も疑いがなかったわけですか?

〈栗山〉
監督の仕事っていうのは、最悪の状況でも負けないようにすることです。
3対2と1点リードで迎えた9回表、翔平をマウンドに上げた時、野手も2人交代して守備固めに入りました。

「もし同点にされていたらどうしたんですか」って、後で周りからも言われたんですけど、僕があそこでほんの一ミリでも同点になるとか負ける可能性を頭に描くと、その通りになってしまうと思ったんですよ。

翔平の覚悟も感じていたので、あの采配は絶対にこのイニングで終わらせるというメッセージでもありました。

〈横田〉
両者ともメジャーリーグを代表する選手ですから、おそらく技術の差はほとんどないと思うんです。

でも、監督もお読みになっている『孟子』に、「浩然の気」という言葉が出てきますね。

これは大河が滔々と流れていくような、この上なく強く大きく真っ直ぐな気のこと。大谷選手の浩然の気が相手バッターを圧倒していったんじゃないかと感じました。

それから、準決勝のメキシコ戦で9回裏に劇的な逆転勝利を呼んだのも、先頭で彼がヒットを打ち、ヘルメットを投げ捨てて全力疾走し、二塁まで到達してベンチに向かって叫びましたよね。

あれで気の流れが変わって、こちらに引き寄せたと思うんです。

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