大手メディアは一切無視。小池百合子都知事と三井不動産の「癒着」関係と都庁元幹部14人の天下り

 

世間を欺き法の抜け穴を潜り抜け巨利を得る卑怯

▼この《ステップ1》《ステップ2》計画を発案し推進してきた中心人物は、森喜朗元首相で、彼は2005年4月に日本体育協会(現・日本スポーツ協会)の会長、同年6月に日本ラグビー協会の会長に、それぞれ就任。その立場から、20年東京五輪と19年ラグビーW杯の日本誘致に中心的な役割を果たす。当然にも、外苑内にある国立競技場と秩父宮ラグビー場の改修とそれに伴う外苑全体の再開発問題に大きな影響力を持つようになった。その森の名代として自民党の野党時代から文科省、都庁、明治神宮、三井不動産などの間を飛び回ってまとめ役を担ったのが萩生田光一で、やがて12年12月に第2次安倍政権が誕生すると、その官房副長官として安倍側近を演じ(15年10月~17年8月)、また文科大臣として初入閣を果たし(19年9月~21年10月)まさに外苑再開発を取り仕切る立場となって活躍した。

▼《ステップ2》の最大の問題は、「超高層ビルや巨大化したスポーツ施設が立ち並ぶことによって、景観が一変」するだけでなく、故・坂本龍一はじめ多くの人々が懸念を表明したイチョウ並木の伐採や枯死の危険増大、さらに「建国記念文庫の森」と呼ばれる緑地の南半分が潰され、北半分もラグビー場の日陰となって生態系が著しく劣化すると予想されるなど、都心に残る貴重な緑の公園がズタズタにされてしまうことである。しかもそのやり方は、外苑一帯の都市計画公園の指定のうち3.4haを指定から外し、その分だけ「容積率が余った」と解釈してそれを三井不動産と伊藤忠商事に与えて2本の超高層オフィスビルを建てさせるという、世間を欺いて法の抜け穴を潜り抜け巨利を得る、政治資金の裏金作りにも通じる寝汚いもので、森や萩生田らしい仕掛けである。

こういう醜悪な政官業のべたつきの構造を打ち壊さなければなるまい。

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2024年6月24日号より一部抜粋・文中敬称略。ご興味をお持ちの方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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