【アドラー心理学】相手のやる気スイッチを簡単に入れる「アイ・メッセージ」会話術

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◆ あなたではなく、私で語ろう。

では、いったいどうすればいいのでしょうか?

実は何かを伝えるときに心がけることとして、

「ユー・メッセージではなく、アイ・メッセージで」

という考え方があります。

たとえば、

「あなたは、偉いね」
「あなたのその行動、ひどいよ!」

こういう言い方は「ユー・メッセージ」となります。

「あなたは○○」

というように決めつけることで、言われた相手は、どんどん息苦しくなってきてしまいます。
真実でなかったらイライラするだけですし、真実だったとしても、だからこそつらく感じてしまう可能性があるわけです。

「ほめ言葉」というのも、結局はこの「ユー・メッセージ」に分類されてしまうのです。

それより大切なのは「アイ・メッセージ」。

自分自身がどう感じるか、ということを言葉にするべき、というわけです。

たとえば、

「私は、あなたと一緒にいられて嬉しい」
「あなたが頑張ってくれたのが、私はとっても誇らしいの」

というような言い方です。

これは「自分の感情」なので、相手にたいして何も強制することもなければ、決めつけたりすることもありません。
そのため相手はすんなり受け入れられます。

くわえて、相手の感情を知ることができるので、気持ちが安らぐ面もあります。

ユー・メッセージが、相手の服をいきなり脱がしてきたり、相手の衣服を強制するようなものとするなら…。
アイ・メッセージは、自分自身が衣服を変えたり、脱いだりするようなものです。

相手にとっては、アイ・メッセージの方がすんなり受け入れられるのではないでしょうか。

うん。
たとえのせいでちょっと微妙になってきた気がしますが、とにかくそんな感じです。

いずれにしても、たとえばほめ言葉であるなら、

「すごくキレイだよね! はじめて見て、ビックリしちゃった!」

と言えば、最初の「すごくキレイ」というのは「ユー・メッセージ」ではありますが、そのあとはきちんと「アイ・メッセージ」であるので、嬉しく受け入れられるはずです。

もしほめたいのなら、そのあとに「だから自分はプラスの感情になっている」という言葉を必ず入れることです。

他にも、

「あなたと一緒にいられて、すごく嬉しい!」
「今日、こうしてデートできて、とても幸せ!」
「君と一緒に仕事できて光栄だ」

など伝えるのもアリです。
こう言えば、たとえほめていなくても、相手には十分、ほめ言葉と同じということが分かりますでしょうか。

とにかく自分の感情で伝えることです。

「難しい…」と思うのなら、とにかく「自分のように喜ぶ」だけでも十分です。

誰かの成功を、自分自身の成功であるかのように喜ぶ。

それを言葉にするだけでも、相手はとても嬉しく感じるはずです。


◆ シンプルにお礼を言うだけでも。

さらにもっとシンプルに言うなら、

「ありがとう」

とお礼を言うのが、とてもカンタンかつ効果的です。

「今日はデートしてくれてありがとう!」
「いつも助けてくれて本当にありがとう!」
「テストよくできたねー! お母さんすごく嬉しい! ありがとう!」

感謝の言葉は、すなわち「自分はあなたにお礼を言いたいほど嬉しく感じている」というメッセージでもあります。

何より相手にとって幸せを感じさせますので、覚えておいてください。


◆ しかるときも、プラスで言おう。

これは叱るときも一緒。

「お前はダメだ!」
「あなたの仕事のしかたはいけない!」
「どうして連絡くれないの?」

これはすべて、ユー・メッセージとなります。

一瞬だけ、相手のことを従わせることはできるかもしれません。
しかし長続きすることはなく、相手の中に反発心がどんどん湧き上がっていくだけです。

それよりは、アイ・メッセージで話すこと。

「今回の仕事は少し残念だった」
「連絡くれなくてショックだった」

というような言い方になります。
ただそれであっても、やはりネガティブな内容にはなってしまいますので、

「○○はあまり良くないと思うから、△△のやり方にしてくれると嬉しい」

というように、プラスの言い方にした方が良いでしょう。

 

★ 今回のまとめ。 「アドラー心理学4 ~人間はみな対等である」

○ すべての人は「共同体感覚」を持つべき。

○ そしてみんな「対等」ということを意識すること。

○ 上でも下でもなく、「しかる」「ほめる」のではなく「親しく話す」こと。

○ ユー・メッセージではなく、アイ・メッセージで。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 

『★セクシー心理学GOLD ~最先端の心理学技術★』第511回より一部抜粋

著者/大和まや・ゆうきゆう(精神科医・心理研究家)
あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。趣味は瞑想と妄想。特技はスノーボード。
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