中国が進める「パリ五輪後の台湾侵攻」への準備。親日の島を“外と内”から襲う習近平の脅威

 

軍事色が日に日に濃くなってきている台中関係ですが、中国からの威嚇はこうした目に見えるものだけではありません。台湾の芸能人が自分は中国人だと発言することを強要されているということは、以前、このメルマガでも書きました。台湾で人気のロックバンド「五月天(メイデイ)」も、その一人で、ぼくらは中国人だと発言したことで、中国での活動を保証されたようなものでした。

中国の魔の手は、さらに台湾内部にまで伸びており、台湾で活躍するインフルエンサーにも接触しているとの報道があります。以下、その報道を一部引用します。

台湾で今、波紋を広げているのが、中国からとみられる若者を狙ったある“誘い”です。美容に関する情報などをSNSで発信し、約4.8万人のフォロワーを抱えるPoppyさんに、2022年、外国の広告会社を名乗る人物から突如、メールが届いたのです。

「一つ特別なご依頼です。中国を褒める内容を投稿してください。極端すぎる言論は求めません。もし興味があれば、ほしい報酬の金額を教えてください」

メールの発信元は見知らぬアドレスでしたが、中国で使われる簡体字で書かれていました。

台湾のインフルエンサー Poppyさん

「とても驚きました。(中国と距離を置く)私の政治的立場は分かりやすい。逆に中国のいい話を言わせようとしている。これはひどい話」

複数のインフルエンサーにあったという中国からの“誘い”。Poppyさんは不安を感じているといいます。

台湾のインフルエンサー Poppyさん

「侵略される不安がある台湾ではなく、子どもには安全で平和な台湾で成長してほしい」

【台湾】忍び寄る“中国の影” インフルエンサーや芸能界に“誘い”が…

こうした中国からの接触に対して、積極的に協力し報酬を得る人もいれば、警戒して距離を置こうとする人もいます。中国は、こうして外からも中からも台湾に入り込んでいるのです。

先週のメルマガでは、フィリピンの町長が、中国のスパイだったという話をしました。中国は台湾はもちろん、発覚していないか、あるいはニュースになっていないだけで、日本でも同じようなことをしている可能性は低くありません。

【関連】中国人スパイが市の顔に?カジノ摘発で発覚したフィリピンの市長“なりすまし疑惑”に感じる中国の得体のしれない恐怖

とはいえ、日本で中国の工作活動が明らかになることは、ほとんどありません。もちろんそれは、工作活動がないのではなく、日本側が気づかないか、気づかないふりをしているからでしょう。

日本の危機にもっと敏感であるべきです。

【関連】なぜ習近平はここまで焦っているのか?新総統就任の台湾を脅し続ける中国の“大国”らしからぬ振る舞い
【関連】威嚇か、それとも故障か?水深の浅い台湾海峡で中国海軍が潜水艦を浮上させた「意図」
【関連】止まらぬ中国の嫌がらせ。軍事威嚇では飽き足らず元軍人をモーターボートに乗せ台湾に送り込む習近平政権の姑息
【関連】「日本に沖縄の主権はない」中国で話題の沖縄“奪還”投稿をほとんど報じぬ日本メディアの怪
【関連】「日本の民衆が火の中に連れ込まれる」台湾総統就任式の当日に日台を恫喝した中国“焦りの表れ”

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

初月無料で読む

 


 

kb2022-s最新刊
中華思想の正体と行方 中国の恐ろしい未来
好評発売中!


image by: 賴清德 - Home | Facebook

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2024年7月24日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

初月無料購読ですぐ読める! 7月配信済みバックナンバー

※2024年7月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、7月分のメルマガがすべてすぐに届きます。
2024年7月配信分
  • パリ五輪「世界の一員」をアピールする台湾へ中国のいやらしい恫喝/パリ五輪後、高まる「中国の台湾侵攻」の懸念(7/24)
  • 「もうトラ」で急変、台湾有事と次の日本首相の行方/ますます露骨で強引な浸透工作を展開する中国(7/17)
  • 最近の中国で甚大な水害が発生する人的理由と高まる習近平への怨嗟/都知事選以降、「極左化」に引きずり込まれる第一野党の行方(7/10)
  • 反日ができなくなった中国の焦り/繁栄する台湾、没落する中国(7/3)

いますぐ初月無料購読!

こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー

初月無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。

2024年6月配信分
  • 日本のジェンダー平等が世界的に低いからくり/期待される頼清徳総統の活躍(6/26)
  • 神宮外苑の再開発中止は何をもたらすか/中国の嫌がらせに自己防衛力強化を訴える新総統(6/19)
  • 習近平の腐敗露見、膨れ上がる人民の憎悪/頼清徳政権に反発する中国の嫌がらせ(6/12)
  • 訪日中国人に「中国共産党の真実」を教える拠点となる日本/ますます世界争乱の元凶と化す中国(6/5)

2024年6月のバックナンバーを購入する

2024年5月配信分
  • 事なかれ主義の日本に対し、沖縄を本気で取りに来はじめた中国/台湾芸能人に踏み絵を迫る中国の卑劣(5/29)
  • 台湾総統就任式で日本に恥をかかされた中国の歯ぎしり/日本を訪れた蒋介石のひ孫への評価(5/22)
  • 中国は金も情報も抜き取ろうとしている/日台の夫婦関係の違いを考える(5/15)
  • 台湾で神様となった日本人が結ぶ新たな日台の絆/本当に怖い立憲民主党/いまだに知識分子弾圧というお家芸を繰り返す中国(5/8)
  • 高まる「月の主権を主張する中国」への懸念/中国の富裕層、子どもを日本へ「爆入学」が流行(5/1)

2024年5月のバックナンバーを購入する

2024年4月配信分
  • 高まる中国憎悪と対中テロ/(新連載)黄文雄の国家論(4/24)
  • 現代のアヘン戦争を仕掛ける中国/台湾の大型エンタメが続々来日!(4/17)
  • 馬英九が中国に忖度して、結局「日本の応援団」になった皮肉/つねに火事場泥棒を繰り返す中国の災害支援(4/10)
  • 中国へ忖度するにもほどがある日本のメディア/結局、中国の評判を貶めただけだった「一帯一路」(4/3)

2024年4月のバックナンバーを購入する

黄文雄この著者の記事一覧

台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」 』

【著者】 黄文雄 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 中国が進める「パリ五輪後の台湾侵攻」への準備。親日の島を“外と内”から襲う習近平の脅威
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け