“小泉ポエム政権”が誕生しても短命に。自民総裁選で進次郎が勝ったら何が起きるのか?

 

石破総裁、小泉幹事長の布陣で生まれる国民の熱狂

私が注目するのは石破茂議員だ。世論調査ではいちばん期待が高く、共同通信の世論調査(8月17日~19日実施)では全体で25.3%、自民党支持層でも21.0%だ。ちなみに2位は小泉進次郎議員で、全体で19.6%、自民党支持層では24.2%と人気は高い。石破氏は軍事オタクと揶揄されるように憲法改正で9条に自衛隊明記を主張してきた。あるとき私は石破議員の部屋で北朝鮮の拉致問題について話をした。実際に解決に向けて進むには何が必要かを意見交換したのだ。

石破議員は、これまで2008年、12年、18年、20年に総裁選に出た。世論調査でも明確だが、国民的に人気があっても、国会議員のなかでは支持が広がってこなかった。こんどの総裁選の結果は不明だが、仮に石破茂総裁、小泉幹事長といった布陣になれば、流されやすい国民にある程度の「熱狂」が生まれるかもしれない。

その石破議員と私が一致するのは、北朝鮮の平壌に連絡事務所を設置することだ。北朝鮮に拉致問題の報告書を提出させ、それが事実かどうかを警察庁の専門家などに検証させるのだ。民主党政権の時代に北朝鮮側は、半年でも1年でも徹底して調査してよいと提案したこともある。「救う会」や「家族会」は猛反発するが、現実的に前に進めることなしに、日朝問題は解決に向かわない。

自民党の総裁選、立憲民主党の代表選。その布陣が決まった時点で政策と人物像を評価したい。ただし世論調査は小泉進次郎議員に流れる。日本経済新聞とテレビ朝日が8月21日、22日に行った緊急調査では、「次の自民党総裁にふさわしい人」の1位は、小泉進次郎議員だった。全体で23%(2位は石破茂18%)、自民党支持層で32%(2位は高市早苗15%、3位は石破茂14%)だ(『日本経済新聞』8月23日付け)。決選投票でもし小泉進次郎「ポエム政権」が誕生しても短命に終わるだろうが、それはまた別の課題だ。

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ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。1995年から2007年まで、日本テレビ「ザ・ワイド」に12年間レギュラー出演。2010年には民主党から立候補、参議院議員となり、北朝鮮拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題などに取り組む。「北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実」(集英社新書)、「改訂新版 統一教会とは何か」(大月書店)など、著書多数。

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