斎藤元彦現象が示す「有権者の飛躍的リテラシー向上」既存メディアはSNSや立花孝志ではなく偏向報道の誘惑に敗れ自壊した

 

増長と委縮、既存メディアが罹患した「死に至る病」

斎藤氏の勝因について既存メディアは、SNSを駆使したことをあげた。開票日に放映されたフジテレビ系「Mr.サンデー」で、司会の宮根誠司氏が「若い方はもちろん比較的ご高齢の方も、SNS、YouTubeなんかで情報を拾いに行っている」と指摘し、「ある意味、大手メディアの敗北ですよね」とつぶやいたのも印象的だった。

たしかに、既存メディアにSNSが勝利したという側面はあるかもしれない。しかし二元論的な単純図式では、玉石混交でデマの多いSNSに多くの人々が騙されているという曲解にもつながりかねない。

根本的には、視聴者の情報収集能力が、SNSというツールを獲得したことによって飛躍的に高まったということではないか。テレビや新聞からの情報だけを受け身で得ていた時代から、既存メディアだけではわからない事実をSNSで能動的に見つけ出そうとする時代に変ってきた。

そういう変化についていけない既存メディアが視聴者の抗議電話を恐れ、政治権力や大広告主からのプレッシャーに怯え、自ら報道の自由を抑制する。そのくせ百条委員会という“権威”のもたらす安心感には寄りかかり、その情報を材料とした面白おかしい情報を垂れ流して平然としている。ネットとの間を自在に行き来できる現代人の目に、オールドメディアへの不信感が募るのも仕方がない。

SNSに負けたのではない。オールドメディアが自壊しているのだ。増長と委縮の症状を呈する「死に至る病」は不気味に、しかも確実に進行している。

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