【1-3.9月の見立てを振り返って】
私は9月19日のオンラインの講演で、中間選挙の結果を四つの型に分けてお話ししました。両院とも民主党が取る「完敗」の型は、そのとき一割前後の可能性と見ていましたので、見立ては外れたことになります。
それでも、あのときお伝えした条件、つまり「ガソリンが上がり続ければ民主党」という読みは、そのまま結果に表れました。そして、負けた場合に何が起きるかについて申し上げた見通しが、今、目の前で動き始めています。
【1-4.「レームダック」ではなく「急ぐ大統領」】
議会の両院を失った大統領は、しばしば「レームダック」、つまり足の不自由な鴨にたとえられます。国内の政策については、十中八九その通りになるでしょう。法案は通らず、予算は締め付けられ、政権の高官は議会の召喚状に追われることになります。
しかし、外交と軍事は別です。米国の大統領は、議会を通さずに動かせる領域を広く持っています。むしろ、国内で成果を上げられなくなった大統領ほど、歴史に名を残す材料を外に求めます。
今週の動きは、その典型でした。選挙の翌日にイランへの攻撃を「必要ないかもしれない」と言い、カタールとパキスタンの仲介に委ね、ウクライナの三者協議の日取りを固めました。
問題は、その急ぎ方が、相手からはっきりと見えてしまっていることです。交渉の言葉で言えば、合意を求める「動機」は強まりましたが、相手に合意を飲ませる「体力」と、約束が守られるという「信用」は落ちています。イランの最高安全保障評議会のレザイ書記が、米国の回答を「説得力がない」と突き返したのは、その最初の表れでしょう。
この記事の著者・島田久仁彦さんの新創刊メルマガ








