捨てられない「子どもの思い出の作品」、どう整理したらいい?

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子どもが成長するにつれて増えていくもの、それは「思い出」と学校から持ち帰る「作品」。どうしてもかさばってしまうけれど、子どもが一生懸命に作った作品を捨てるのも気が引ける…。そんなとき、どうすればいいのでしょうか?家庭教育アドバイザーの柳川由紀さん著・『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』からご紹介いたします。 

Question

毎年増える子どもの「作品」、どう整理したらいい?

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幼稚園時代からの工作や絵、図工の作品が溢れ返り、物置も一杯。捨ててしまうのも忍びないのですが、どう整理すればいいでしょう?
(12歳女児、10歳男児のお母様より)

 

家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答 

子どもと相談しながら、「飾る」「処分する」「使う」を決めましょう。上手下手を保護者が判断して決めるのは絶対にNGです。必ず一緒に作業をすることがポイントです。

1.飾る:子どもや保護者が気に入っている作品を選びましょう。リビングの一角や壁、子ども部屋などにスペースを確保し、絵は額縁に入れたり、リボンをつけたり、工作品は敷布に載せるなどして引き立てましょう。

2.処分する:大きなものはスペースを取りますので、捨ててしまう前に写真に収め、フォトアルバムを作りましょう。その時、子どもに作品を持たせて撮ることで、子供の成長も記録できます。将来の楽しみにもなります。

3.作品の中には使えるものもあります。例えば、手作りホワイトボードや、手作り万年カレンダーなどです。これらは、黄ばんで使えなくなるまで使い倒しましょう!

中学生、高校生になると過去の作品は、自分から捨ててしまうことがほとんどです。保護者としては子供の成長の記録ですから、どれも愛おしいものですよね。そうなる前に写真に収めておきましょう。

家庭教育アドバイス……「自分は大切にされている」と気づかせる

子どもの作品は、幼稚園時代から小学校卒業まで、一人分だけでも相当な数ありますので、複数の子どもになると大量になってしまします。
親は面倒くさがらず、その都度彼らの作品を大事に扱い感想を言いながら、子どもたちと一緒に「仕分け」しましょう。

この「一緒に仕分ける」ことがとても大切です。
というのも、親が「上手だから、取っておきたい」と判断しても、子どものお気に入りや、思い入れのある作品は別の物だったりしますし、親だけで作業をすると子どもの気持ちが置き去りにされてしまうからです。

子どもは、飾られた自分の作品を日々目にしたり、家族の話題に上ったり、ましてや使っていたりすると、「パパ、ママは自分をちゃんと見てくれている」、「自分は大切にされている」と自然に感じ取るものです。

そして実はこの「自分は大切にされている、愛されている」という感情が「自己肯定感」を増幅させる起爆剤でもあるのです。
心の根っこを作るすべての基本がこの感情です。
心のベースがしっかりできていると勉強にも落ち着いて取り組めるようになりますし、壁にぶち当たった時にも、自ら乗り越えられます。

ですから、子どもたちが「自分は大切にされている」と自然に気づく、感じ取るように心がけましょう。

そのためには、飾られた作品を見て感想を言い、認め、どういった気持ちや意図を込めたのか聞くこと、そして季節の節目ごとに、「展示替え」を子どもに頼んでみること、また処分のために写真に収めたアルバムを開いてみること、などが効果的です。

世界に一つだけしかない子どもの作品は、家族の笑顔を増やしてくれるとても素敵な「芸術品」です。 

image by:Shutterstock

 

『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』
家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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