探偵としてさまざまなタイプの『監視』を経験してきた後藤啓佑さん。本来、安心や安全を確保するための手段のはずの監視が、人間関係や組織を静かに蝕んでいくケースも多く目にしてきたといいます。そこで後藤さんは、今回のメルマガ『探偵の視点』では、実例をもとに監視という行為が持つ本質とリスクについて語っています。
監視の代償
「監視」と聞くと、どのような関係を思い浮かべるでしょうか。
浮気調査を仕事にしている僕が考えると、まず思い浮かぶのは夫婦間の監視です。
それ以外にも、
会社員であれば上司から部下への監視
経営者であれば社員への監視
親から子への監視
など、立場によってさまざまな監視があります。
僕は仕事の中で、夫婦間の監視はもちろん、社内トラブルの相談の中でも、経営者が社員を監視するケース、上司が部下を監視するケースなど、多く見てきました。
また、監視される側の相談もよく受けます。
僕自身も雇われていた頃、かなり強い監視を受けていた経験がありますので、監視される側の気持ちもある程度分かります。
そういった様々なケースを見てきた中で感じるのは、「監視という行為の難しさ」です。
特に、1対1、あるいは1対少数での監視は、個人的にはあまりメリットがないと感じています。
なぜなら、‘’監視する側の方が先に精神的に限界を迎えるから‘’です。
分かりやすい例がGPSです。
例えば、妻が夫の車にGPSを取り付けたとします。
すると、夫の居場所をリアルタイムで把握できます。
では、そのGPSをどのくらいの頻度で確認するでしょうか。
探偵のように「週に一度、時間を決めて確認する」という人は、ほぼいません。
多くの場合、最初は1時間に数回。
やがてエスカレートして、空き時間があれば常に確認。最終的には数分おきに確認するようになります。
そうなると何が起こるか?
コンビニに寄った。
ドラッグストアに寄った。
パチンコ店の前を通った。
その一つひとつに「なぜ?」を考えるようになります。
そして次第に、想像が不安を生み、不安がストレスになり、精神的に疲弊していきます。
大げさに聞こえるかもしれませんが、GPS監視によって精神的に追い詰められていく相談者を、僕は何人も見てきました。
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