生鮮食品を強化した品揃え戦略で大手と対抗
オオゼキの品揃え戦略を見ていきます。品揃えでは、生鮮食品が多くを占めているのが特徴的です。
加工食品では、大手の規模の経済に物を言わせたセントラル・バイイング(本部が商品や原材料を一括して行う中央仕入れ)による価格攻勢が激しく、同じ土俵で勝負することはできません。
一方で、粗利益を確保できる生鮮食品の品揃えを強化することで、品揃えの豊富さや商品そのものの魅力で、大手と対抗することができます。生鮮食品で大手との差別化を図っています。
オオゼキの仕入は本部で一括で行うのではなく、個店の従業員が築地や大田市場などに行って直接買い付けを行うといった個店の裁量での仕入を行っています。顧客の要望があれば、少種類少量でも品揃えに加えるという徹底ぶりです。創業時から「個店主義」を掲げ、それぞれの店舗に来店する顧客のニーズに合わせた品揃えを行っています。
個店毎によって異なる顧客ニーズにきめ細かく対応するため、個店の従業員に裁量を与え、顧客が要望する商品があればたとえ一品からでも提供しています。真に地域密着を実現し、顧客第一主義を実践していくことができています。ドミナント出店のため、必要であれば近隣の店舗に商品を融通してもらうことができることも、顧客対応の上で大きな強みとなっています。
仕入の裁量を個店に担ってもらうことにより、本部から届けられた商品をただ単に販売するのではなく、自らが売りたいと思った商品を仕入れて販売することになるので、店舗の従業員はより主体的に販売を行うことができます。
こうした徹底した品揃え戦略は地域の顧客に支持され、顧客の8割近くが常連顧客で占められています。磐石な顧客基盤づくりに成功しているといえます。
オオゼキは「出店」「人材」「品揃え」の3つにおいて、卓越した戦略を描いていることがわかります。この3つがオオゼキの成長の原動力となっているのです。
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著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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