韓国の憲法裁判所は3月10日午前、朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免を認める判決を言い渡しました。韓国の大統領としては、初めて任期途中で弾劾されたことになります。韓国在住の著者が配信する無料メルマガ『キムチパワー』では、このニュースを速報で配信。前日までの「穏やかならぬ雰囲気」など、現地からの生の声をリアルに伝えています。
韓国・朴槿恵大統領の罷免決定。韓国はこれからどうなるのか?
3月10日(金)午前11時、予定通り憲法裁判所で朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾審判の判決が言い渡された。
午前11半、「朴槿恵大統領を罷免する」という判決文のもと、韓国大統領としてははじめて、任期の途中で弾劾されるという事態となった。
判決文を読んだイ・ヂョンミ(李貞美)憲法裁判所権限代行は始終落ち着いた態度であった。
判決文の内容は非常にわかりやすく、誰が聞いても納得できる文章であった。
曖昧なところの一つもないすばらしい判決文であったと思う。
今はまだ宣告がなされてまだ10分と経っていない状況なのでいろいろの事象は報道されていないが、これから今日の夜までどんなことが発生するか想像することはできない。
憲法裁判官は現在8人である。
本来は9人制なのだが1月の末に一人が定年退職してしまったため8人体制のままで宣告の時を迎えたのである。
9人いたほうが正常であるが、8人では宣告の要件をなしていないという条文もないので、8人での宣告はなんの問題もない。このことについても李貞美権限代行は言及した。
驚いたのは、8人全員一致で「罷免」つまり弾劾が宣告されたことだ。
8人のうち2人くらいは反対し6対2で弾劾が成立するのではないのかという見方が主流を占めていたのだが、8人全員一致で弾劾。この8人全員という部分はこの後の動きに大きな影響があるものと思われる。
弾劾賛成派にも弾劾反対派にも。とくに反対派に対する影響が大きいものと筆者には思われる。
8人の憲法裁判官全員が「弾劾」を支持したということで、弾劾反対派の人たちは何も言えなくなってしまうのではないのか。
きのうの段階では、大統領が弾劾になれば肚をくくって死ぬなどと民衆の前で演説している元アナウンサーの女性などもあって、穏やかならぬ雰囲気であったのだが。
きょうは、これから夜までの韓国社会全体の動きに関心がもたれるところだ。