クラウドファンディングを活用
ここで、「クラウドファンディング」という言葉に耳慣れない方もいらっしゃると思うので、簡単に説明しましょう。
クラウドファンディングとは、不特定多数の人がインターネット経由で財源の提供や協力を行う活動です。
みんなが集まって(Crowd)資金を集める(Funding)という造語です。
つまり、ねこカフェに当てはめていえば
「ねえみんな! ねこカフェをやったらこんなに人が来るよ! そしてねこも救えるよ! そしてさらに収益も上がるのでビジネスにもなるよ! だから、資金を少しでいいので貸してくださいな!」
ということです。
アメリカではクラウドファンディングはとても盛んで、ベンチャー企業への出資、映画製作、ファンによるアーティストの活動のサポート、防災や市民ジャーナリズム、開発や研究など、さまざまな分野で一般的になっています。
クラウドファンディングのやり方はインターネットで大勢に呼びかけるシステムなので、出資する側も少額から参加できることもあり、気軽に出資できることもクラウドファンディングが成功している理由の一つでもあります。
ちなみに、資金提供者にはそのプロジェクトが成功した時に金銭的リターンのない「寄付型」、金銭リターンのある「投資型」、プロジェクトによって権利や物品を購入できる「購入型」などいろいろあり、その目的やプロジェクトの種類に応じて決めていくかたちになります。
従来のように、ビジネスで金銭的リターンを求めるだけの投資家にねこカフェの話をもちかけても、きっと見向きもしてもらえないでしょう。
けれども、世界じゅうのねこ愛好家たちに、ねこを救うためのねこカフェのアイディアを訴えたら、出資してくれる人たちはたくさんいることでしょう。
そういった意味で、ポップアップショップとしてデータを集めて、クラウドファンディングで資金を調達するというこのブルックリンのねこカフェのアイディアは、今後日本でもこのようなシステムを模倣するにあたって大変参考になると思いました。
もちろん、アメリカではアニマルシェルターのシステムが整っているだけに、こうしたねこカフェもやりやすいという事実もあります。
もし日本のようにシェルターシステムが整っていなければ、ねこカフェが一時的にねこを預かるなんてことさえ不可能かもしれません。
しかし一方で、逆の発想もまた可能かもしれません。つまり、こういったねこカフェのアイディアを僕達日本人が訴えていくことで、公共のシェルター施設が必要なだけでなく、継続的な運営が可能になるかもしれないと行政を説得できるかもしれないからです。 ねこカフェのアイディアが、シェルターを支えるという逆転の発想です。
ということで、NYはブルックリンのねこカフェと、日本のねこカフェの違いを紹介してみました。
日本発のねこカフェが、NYでねこを助けるために発展して、そしてまた日本に逆輸入されればいいなと思ったロケでした。
image by: Shutterstock
『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』
著者:しんコロ
ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。
≪初月無料/購読はこちらから≫