なぜ「イスラム国」ら残虐なテロリストたちの資金は枯渇しないのか?

 

アルカイダでさえ眉をひそめるISのようなテロ行為や殺戮を支持する人は、きわめて限られることは言うまでもないことです。

しかし、地球規模で眺めると予想外の結果が浮かび上がってきます。それを忘れてはなりません。

例えば、ISのような殺戮や残虐行為を支持する人間が1万人1人くらいしかいないとしましょう。

しかし、世界の70億人の人口で考えた場合、その比率でも70万人に達してしまうのです。

その中には、兵士として戦闘に身を投じる者やテロを支援する人間ばかりでなく、資金的にテロ組織を支える人間も少なからず含まれていると考えなければなりません。

1人が日本円で100円を拠出しても70万人ならたちまち7,000万円になるのです。オーナー経営者や富豪が含まれていれば、その金額は膨れあがると考えなければなりません。平均の拠出額が1万円になれば70億円というわけで、闘争資金が簡単に枯渇することはないと思わなければなりません。

ISなどが残虐な殺戮に出るほどに、それを熱狂的支持する人間増え、そうした人間による支持と支援を拡大すべく行動がエスカレートすることは、テロとの戦い、非国家主体との戦いを考えるうえで忘れてはならないポイントなのです。

トルコのテロがISによるものであった場合、IS狙い通り成果手にしたと考えなければならないのです。

 

『NEWSを疑え!』第434号より一部抜粋

著者/小川和久(軍事アナリスト)
地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。
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