パリ多発テロ後、オバマがプーチンに歩み寄った「もう一つの思惑」

 

オバマ、プーチンに歩み寄る

最近まで、トルコのアンタルヤでG20が開かれていました。オバマとプーチンは、ここでまたシリア情勢を話し合いました。

「アサド派」と「反アサド派」の和平交渉。和平が実現したら、大統領選挙議会選挙。そして、「シリア国民に、アサドを選ぶか、他の人を選ぶか決めさせよう」ということですね。

きわめて「民主的」で真っ当です。

アメリカは、対中国に集中できる体制をつくる

2014年、15年にかけて、アメリカから世界を見ると、3つの大問題がありました。

1つは、ウクライナ問題です。これは今年2月に停戦合意がなされ、現在も維持されている。欧米ロシアは、「解決済み」と見ています(とはいえ、「ロシア制裁解除」までには、まだ時間がかかるでしょう。ロシアがシリア問題解決で活躍し、「制裁解除」を国際的に認めさせる必要があります)。

2つ目は「イスラム国」問題です。今、欧米ロの協力体制ができつつある。「パリ同時多発テロ」は、本当に衝撃でしたが、「イスラム国」問題も、実は解決にむかっているのです(もちろん、欧州にひそんだ「イスラム国」の問題は、長期間つづくことでしょう)。

そして、アメリカにとって3つ目の大問題だけが残りました。それが、中国との覇権争奪戦です。アメリカは、今「総力をあげて中国を打倒する」体制を整えつつあります。

 

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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